にんにく独特のあの強烈なニオイが苦手だという人もいますよね。

にんにくや玉ねぎのツンとする刺激臭は「アリシン」という成分によるもの。

アリシンは予防医学の観点からも期待されていますが、私たちにどんな効果をもたらしてくれるのでしょう。

アリシンの効果を知れば、あのニオイが苦手だという人も見方が変わるかもしれませんよ。

 

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アリシンってなに?

はてな

 

生のにんにくや玉ねぎには「アリイン」というイオン化合物が含まれていて、「アリナーゼ」という酵素が触れて分解されると「アリシン」へと変化します。

にんにくや玉ねぎは、アリインを含む細胞とアリナーゼを含む細胞の両方を持っていて、切ったりすり潰したりすると互いの細胞が壊れて接触します。

つまり生のままだとアリイン、切るなどの加工をするとアリシンが増えるというわけです。

アリイン自体はほぼ無臭ですが、分解されてアリシンになると強い刺激臭を発します。

 

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アリシンを効率よく摂るには?

アリシンは食材を切ったり、すり潰したりすることで増えます。

ニオイが強くなったということは、それだけアリシンも増加しているということ。

みじん切りなど細かく切ったほうが、アリインとアリナーゼの接触も増えて、アリシンがより多く作られます。

 

アリシンとして摂るにあたって、調理のときにいくつか気をつけたいことがあります。

まず、加熱をするとアリシンが壊れやすくなります。

火を通すことによって玉ねぎなら甘みが増しますし、にんにくならニオイが和らぎますが、これはアリシンが減少しているという証拠です。

 

またアリシンは水溶性のため、水に浸けておくと成分が流れ出てしまいます。

これらを解消するため、切ったあと水にさらす時間は短めにして、加熱調理の前に15分ほど空気に触れさせるようにしましょう。

空気に触れさせることにより、加熱をしてもアリシンが壊れにくくなります。

 

アリシンは変化しやすい

アリインが分解することで作られるアリシンですが、その後もさまざまな成分へと変化しやすくなっています。

たとえばアリシンを100℃以下の低温油で加熱すると「アジョエン」という成分へと変化します。

アリシンは水溶性ですが、アジョエンになると脂溶性で、抗がん作用をはじめ、健康に良い作用をいろいろと兼ね備えています。

 

また、アリシンを加熱すると「スコルジニン」という成分へ変化します。

スコルジニンには血管を拡張することで血流改善を促したり、新陳代謝を活発にするなどの作用があります。

 

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アリシンの効果

ポイント

疲労回復

アリシンはビタミンB1と結合して「アリアチミン」という成分になり、ビタミンB1の効果を持続させたり、吸収率をアップさせたりします。

ビタミンB1には代謝やエネルギー生成を促進させる効果があるため、疲労回復に一役買ってくれます。

風邪や食中毒

アリシンには抗菌・抗カビ作用があり、殺菌力も強力なので食中毒予防に薬味として食べるのも良いでしょう。

生活習慣病

アリシンには血液をサラサラにする作用があります。

血中の悪玉コレステロールの上昇を抑え、血液を固まりにくくすることで、動脈硬化や血栓の予防が期待できます。

また、インスリンの分泌を促すことで血糖値の上昇を抑えたり、抗酸化作用により体の老化現象を抑えたりするため、さまざまな生活習慣病への効果が期待できます。

食べすぎには注意!

アリシンには胃腸のはたらきを活発にさせて食欲を増進させる作用もありますが、食べ過ぎると腹痛などの胃腸症状や貧血を引き起こすことがあります。

生のにんにくなら1日1片、加熱したものなら1日2~3片を限度に食べるようにしましょう。

 

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にんにく

ニンニク アリシン 効果

 

私たちが一般的に食べる白いにんにくは、「鱗茎」といって短い茎のまわりに養分を蓄えた葉や集まってできたもの。

一年を通して市場に出回っていますが、旬は4~7月となっています。

にんにくというとスタミナ食材というイメージですが、紀元前の古代エジプト時代において、ピラミッドをつくる労働者が食べていたという記録が残っています。

にんにくの効果

高血圧症

ガーリックパウダーを使った試験で、7~8%の血圧低下が確認されています。

アリシンを加熱することでできるスコルジニンにも血流を改善するはたらきがあるため、血圧の低下が期待できます。

アテローム性動脈硬化症

高血圧や糖尿病などの生活習慣病により、血管が詰まってしまうアテローム性動脈硬化症。

加齢によって血管が硬くなるのを防ぎ、血圧を低下させる効果が期待できます。

がん予防

にんにくを食用として摂取した場合、一部のがん(結腸がん、前立腺がん、直腸がん、胃がん)の発生率を低下させるとのデータがあります。

ただし予防であって、発症してしまったがんへの有効性は示唆されていません。

感染症予防

アリシンの強力な殺菌作用により、細菌やウイルス感染、食中毒、また皮膚の真菌(カビ)感染の予防、ダニの刺咬への対策にも有効性が示唆されています。

その他

確定的な科学的根拠はまだありませんが、以下にあげる病気の予防への有効性も期待されています。

 

  • 糖尿病
  • ヘリコバクター・ピロリ菌の抑制
  • 子供の高コレステロール血症
  • 乳がん、肺がん
  • 末梢動脈閉塞性疾患

 

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アリシンの含有量

にんにくの中に、アリインは1%ほど含まれています。

アリインが分解されてアリシンになると量としては半分ほどになるため、にんにく1片で摂れるアリシンは18.300㎍ほど。

ちなみに健康食品として“熟成にんにく”というものを見かけますよね。

にんにくを熟成させるとアリシンはまた別の物質(S-アリルシステインなど)へと変化してしまい、アリシンの含有量は0.003%にまで減少するようです。

薬との併用に注意!

薬としてにんにくを摂取する際は、抗ウイルス薬(抗HIV薬)との併用は禁止となっています。

抗ウイルス薬(抗HIV薬)は体内で分解してから排出されますが、にんにくには分解を促進する作用があるため、薬の効果が十分に発揮されないことが考えられます。

 

にんにくの食べ方

にんにくをスタミナ食材とし食べるなら、ビタミンB1と一緒に摂るようにしましょう。

豚肉や大豆はさまざまな料理で合わせやすいので良いですね。

にんにくのアリシンと、ビタミンB1が結合することによって疲労回復効果が高まります。

 

またアリシンは加熱により壊れやすい性質を持っていますが、油調理だと分解されにくいのも特徴です。

低温の油で炒めると、にんにくの香りが油にうつるので食欲もそそられますね。

にんにくのニオイは好き嫌いが分かれるところですが、ニオイが強いということは、それだけアリシンも多く含まれているということになります。

 

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玉ねぎ

玉ねぎ

 

にんにくと同じく、私たちが食べる玉ねぎというのは「鱗茎」の部分で、最近は予防医学で注目を集めている食材です。

玉ねぎの旬は春と秋ですが、約6000年前から栽培されていたという記録が残っています。

玉ねぎの効果

玉ねぎに関しては、ヒトでの確定的な根拠がありませんが、以下のような作用があるのではないかと言われています。

血栓予防

アリシンの血液をサラサラにする作用により、血栓の予防効果があります。

血液がドロドロになり血栓ができやすくなると、脳梗塞や心筋梗塞のリスクも上がってしまいます。

動脈硬化予防

悪玉コレステロールを抑え善玉コレステロールを増やす可能性があって、血中の脂質燃焼を助けて動脈硬化を予防します。

気管支喘息

玉ねぎに含まれる抗炎症成分と、アリシンなどの鎮静作用により気管支喘息における肺の圧迫を緩和することも期待できます。

 

玉ねぎの食べ方

アリシンとして摂りたいなら、切るなどしてアリインとアリナーゼの細胞を壊して接触させる必要があります。

玉ねぎは切ったら水にさらす人も多いと思いますが、アリシンは水に溶けやすい性質を持っているので、水に浸けておく時間は短くしましょう。

また空気に15分ほど触れさせることによりアリシンが安定しやすくなるので、とくに加熱調理をする前にはしておきたい処理ですね。

アリシンを食べ過ぎると・・・

普通に食べている分には大丈夫だと思いますが、アリシンを摂りすぎると腹痛や胃痛などの胃腸症状、皮膚の発疹などが出ることがあります。

また玉ねぎに含まれるジフェニルアミンという成分には、血糖値を下げる作用があるため、血糖値を下げる糖尿病治療薬との併用には注意が必要です。

ジフェニルアミンの1日の摂取量は35mg以下となっているので、サプリメントなどで摂る際には気をつけましょう。

 

 

さいごに

アリシンは生の食材を切ったときに、アリインが分解されて作られる成分となっています。

水や熱に弱い性質を持ち、ほかの成分へと変化もしやすいので、アリシンとして摂るときには調理法に少し気をつけるようにしましょう。

にんにくや玉ねぎ特有の刺激臭は、アリシンが含まれているという証拠。

逆にニオイを消すような調理法をしてしまうと、アリシンも減ってしまうということです。

にんにくや玉ねぎのニオイに「うっ」と思ったときには、ぜひアリシンのことを思い出してくださいね。

 

【参考】
健康食品・サプリメント【成分】のすべて2017 ナチュラルメディシン・データベース
「アリシン」 厚生労働省 『統合医療情報発信サイト』