歩き疲れたわけでもないのに足首が痛い。

「なにが原因だろう」と考えたときに、内臓の病気というよりは、筋肉や骨といった外科的な病気(もしくは怪我)を疑うと思います。

足首が痛いときには、どんな原因が考えられるのか一つずつ見ていきましょう。

難しい名前がたくさん出てきますが、わかりやすく解説していけたらと思います。

 

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歩くと足首が痛い時に考えられる原因

 

 

まずは足首がどんな構造をしているのか、確認しておきましょう。

足首は「足関節(そくかんせつ)」とも呼ばれ、「距骨(きょこつ)」「腓骨(ひこつ)」「脛骨(けいこつ)」が集合している部分です。

これらの骨のまわりは靭帯が繋いでいて、さらに筋肉や神経などと協力しながら、足関節のスムーズな動きをサポートしています。

 

ちなみに足の甲へと繋がる骨「距骨」の先は足根骨と呼ばれ、7個の骨で形成されています。

さらに足指の骨も含めると片足だけでも28個の骨で構成されていて、それだけ足が複雑な構造をしていることが分かります。

捻挫がきっかけとなって発症する病気もあるので、足首を痛めた場合は早めに整形外科を受診して下さい。

また捻挫の治りかけに、自己判断で治療を中断してしまうことも一因になりますので、最後まで指示に従って完治させるようにして下さい。

足関節捻挫

足首は、捻挫を一番起こしやすい場所になっています。

捻挫は関節が耐えられる以上の力が加わった時に起こり、骨折がなく、靭帯は断裂まで行かない状態のものを指します。

足首が内側に入ってしまうタイプの捻挫は非常に多く、くるぶしの外側を押すと痛みが強くなり、内出血による腫れも見られます。

関節の痛みや腫れ、内出血の程度と、捻挫の重症度は比例するといわれています。

足首を捻挫したら、早急に「RICE(ライス)」と呼ばれる応急処置をして炎症を抑え、内出血を最小限にとどめます。

 

  • R:Rest(安静)
  • I:Ice(冷却)
  • C:Compression(圧迫)
  • E:Elevation (拳上)

 

足首のテーピング

足首を捻挫して腫れてしまったり、痛みが取れない時にテーピングをしておくと痛みを取ることができます。

ただし内出血があって紫色に腫れている場合は、靱帯を損傷している可能性があるため、必ず整形外科を受診して下さい。

 

 

足根洞症候群

足根洞とは足首のちょうど下あたりにある空洞部分のことで、骨と骨の隙間にできた空間のようなものです。

足首を捻挫した際に「前距腓靭帯」や「踵腓靭帯」という靭帯を損傷し、きちんと治さなかった場合に発症することが多くなっています。

足根洞のあたりに痛みがあり、押すと痛みや違和感があります。

足関節が不安定になっているので、整っていない道を歩くと痛みがひどくなって歩きにくくなります。

痛みを緩和させる注射をしたり、リハビリによって回復を待ちます。

 

有痛性外脛骨

外脛骨とは、20%ほどの人しか持っていない余分な骨のことで、足の甲の内側、ちょうど真ん中あたりにあります。

この外脛骨が、舟状骨という骨との間で炎症を起こすと痛みが現れるようになるのです。

症状としては、外脛骨のある足の甲の内側が痛いことが特徴で、小学校高学年くらいから発症する人が多く、偏平足の女性に多く見られます。

靴の締め付けが強かったり、捻挫が引き金となることもあります。

発症したら、しばらくは患部に負担をかけないような生活を心掛け、足底板(=靴の中敷き)を使って土踏まずのアーチをサポートするなどして対処しますが、治らないようなら手術も検討されます。

 

 

腓骨筋腱炎

腓骨筋とは、すねの上あたりから土踏まずにかけて伸びる筋肉で、炎症が起こると外側のくるぶしの後ろあたりに痛みや腫れが見られます。

痛みや腫れの範囲はだんだんと広がって、足の外側が痛いと感じることが多いようです。

スポーツをして傷めたり、捻挫を繰り返して負担をかけたりしたことが原因となります。

炎症を鎮めるため安静にすること、自分に合った靴や中敷きを使い、運動をするときは前後でしっかりストレッチをするなどして対処していきます。

 

変形性足関節症

変形性“膝”関節症だと加齢によるものが多いですが、変形性“足”関節症の場合は骨折や捻挫といった外傷や、関節炎などが原因となっていることも多いです。

ただし変形性膝関節症に比べると、変形性足関節症は頻度としては少ないようです。

足関節の軟骨がすり減ったり、骨が変形するなどして、痛みや腫れ、目に見えての変形といった症状が現れます。

 

痛みは、足首の前側やくるぶしの内側で発生しやすく、歩き始めや階段の昇り降りのときに強くなる傾向にあります。

症状が進むと足首の腫れも見られ、さらに軟骨や骨の変形によって、足首が内側や外側に傾くような変形も見られます。

症状があっても日常生活が送れているようなら、安静にして薬や足底板(=靴の中敷き)などを使っての保存療法となります。

生活に支障が出るようなら、人工関節や足関節の固定といった手術も検討されます。

 

足関節の腱鞘炎

腱鞘炎というと手首や手の指のイメージですが、足首で発症することも意外と多くあります。

原因として考えられるのは、靴の締め付けがきつくて圧迫された状態が続いていたり、スポーツで足を酷使したりすることです。

腱鞘炎は腱を包んでいるトンネル状の部分(=腱鞘)に炎症が起こっている状態で、足首周辺に痛みや腫れ、足指にかけてのしびれといった症状があります。

 

足関節の腱鞘炎では、靴がきついことが原因となっているケースが多いため、靴が本当に自分に合っているかどうか見直すことが大事です。

靴ひもを締めすぎていないか、靴の中で当たって痛い部分はないか、女性の場合は無理してパンプスやヒールの高い靴を履いていないかどうか、もう一度見直してみてください。

整体やマッサージ、電気治療といった理学療法や注射も有効なので、早く痛みを軽減させたい方は、医師に相談してみても良いでしょう。

 

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離断性骨軟骨炎

足関節を構成する骨の中で、距骨は足の甲へと繋がっている、足の土台のような骨です。

この距骨の出っ張っている部分がほかの骨(脛骨など)と繰り返しぶつかると、軟骨の一部が壊死して剥がれてしまいます。

剥がれた軟骨の一部が、足関節の骨の間に挟まってしまうと、違和感や痛み、動かしづらさなどが現れます。

足首の捻挫を繰り返してしっかり治さなかったことや、スポーツによる足首への負荷などですが、小中学生の若者に多いのが特徴です。

 

離断性骨軟骨炎は足関節だけでなく、肘や膝関節でもよく見られ、肘の外側だと「野球肘」と言われることもあります。

足首に軽い違和感を覚え、しゃがんだり歩いたりと足首に負荷がかかったタイミングで足首の奥に痛みが発生します。

運動をしたりすると腫れ、足首の動かせる範囲が制限されてしまうこともあります。

装具を使うなどして足首に負担がかからないような生活を心掛けながらリハビリを行っていきますが、重症だったり、保存療法で回復しないようなら手術となることもあります。

 

滑液包炎

足首の前、外側あたりに滑液包という小さな袋があります。

この袋の中には少量の液体(滑液)が入っていて、クッションのような役割をしているのです。

しかし、この滑液包に摩擦や刺激が加わって炎症を起こすと、中に溜まる液体の量が増え、それによって痛みや腫れが発生します。

滑液包炎の原因となるのは、スポーツでの負荷のほか、痛風や関節リウマチ、それに正座をする習慣などです。

 

滑液包の腫れはボコッとしたコブのようなので、「正座だこ」と言われることもあります。

炎症が起こると、滑液包のある足首の前、くるぶしの外側あたりに痛みが発生し、こぶのように赤く腫れ上がることもあります。

滑液包の中に液体が溜まっているようなら、注射で液体を抜く治療を行い、痛風や関節リウマチが原因となっている場合はその治療を行います。

正座やあぐらをかく習慣のある人は控えたり、クッションや座布団などを上手く使って滑液包への負担を減らすようにします。

 

リウマチ性足関節症

リウマチは自己免疫機能の異常なので、外科よりも内科に近くなります。

本来なら外部からの敵(ウイルスなど)と戦うはずの免疫が、エラーを起こして私たちの体を攻撃してしまうために発症します。

足関節で起こると、リウマチ性足関節症と呼ばれますが、足指の関節なども含め、全身のあらゆる関節で発症する可能性があります。

リウマチを発症すると、足関節の炎症により関節の変形が起こり、痛みや腫れを伴います。

 

足首の場合は、外反変形(足首より下が外側に反ってしまう)や偏平足(土踏まずのアーチが平らになってしまう)にもなりやすく、可動域の制限も出てきます。

リウマチは放置していると進行していってしまうので、早めに病院を受診して治療を開始することが大切です。

保存療法では薬や、自分に合った靴や中敷きを使用して様子を見ますが、悪化していくようなら手術となることもあります。

 

 

アキレス腱周囲炎

ふくらはぎから踵にかけて伸びるアキレス腱は、パラテノンという薄い膜で覆われています。

アキレス腱周囲炎は、このパラテノンという膜に炎症が起こっている状態です。

原因にはアキレス腱の老化による部分が大きいため、中高年での発症が多い傾向にあります。

 

また、スポーツによるオーバーユースも大きな原因で、特にアキレス腱を使う陸上競技を行っている人などは注意が必要です。

中高年になって、趣味でウォーキングやランニングなどを始めた人は気を付けたいですね。

症状はかかとより少し上の部分で見られることが多く、腫れ、熱感、押すと痛む、運動すると痛むなどの症状が現れます。

 

進行すると安静にしているときでも痛むようになり、足関節を動かすと軋む感じがします。

アキレス腱は歩くためには必要不可欠な、大切な部分なのでしっかり治すことが大切です。

運動はお休みして痛みは湿布や薬で緩和させ、治ってきたらリハビリやストレッチなどで調整していきます。

かかとを少し上げた状態が楽なこともあるので、医師の指示のもと、足底板などでかかとが上がるよう調節することもあります。

 

腓骨神経麻痺

病名だけ聞くと怖そうにも思えますが、実は多くの人が知らない間に経験しているのではないでしょうか。

正座をすると足が痺れますよね。これも一つの原因として腓骨神経麻痺が挙げられます。

腓骨神経は膝の外側にある神経で、足首や足指を持ち上げたり、すねから足の甲にかけての皮膚感覚を司っている大事な神経です。

この部分で神経が圧迫されると、しびれや神経痛の症状が出ます。

 

原因となるのは、あぐらや足を組むような座り方、きついストッキング、ギプスでの固定によりピンポイントで圧迫されているといったことです。

すねから足の甲にかけて痺れや痛みが出て、歩くと強くなる傾向にあります。

またもう一つの特徴的な症状が、足首や足指が持ち上がらなくなる下垂足というもので、段差に躓きやすくなったり、歩いていてサンダルが脱げやすくなったりします。

 

これらも、正座で足がしびれた際に体験した人も多いと思いますが、基本的には神経を圧迫している原因(足を組むクセなど)を取り除けば回復することが多くなってします。

原因を取り除いても症状が改善しないようなら、手術となることもあります。

 

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その他の原因

太ももの裏が痛い

 

ほかにも、足首とは直接関係のなさそうなところが原因となっていることもあります。

坐骨神経痛

坐骨神経とは腰から足にかけて走っている大きな神経ですが、障害の場所によって症状も人によって違ってきます。

「坐骨神経痛」は病名ではなく症状の名前で、坐骨神経の障害により起こる症状すべてをまとめて、そう呼んでいます。

坐骨神経への圧迫は、腰やお尻の筋肉に問題(緊張しているなど)があって発生している場合と、背骨の疾患が原因となっている場合が考えられます。

 

腰椎椎間板ヘルニアや腰椎すべり症などが原因で坐骨神経痛になることもあり、場合によっては糖尿病や動脈硬化などがその一因となることもあります。

神経のどこを圧迫されるかによって、しびれや痛みの発生する場所も違います。

そのため、腰痛の症状として訴える人もいれば、足首や足先へのしびれとして症状を訴える人もいます。

 

痺れと痛みは、二つが混在したような感覚として表されることもあり、悪化すると歩行障害へと発展してしまうこともあります。

症状が長引くと改善が難しくなってしまうこともあるので、早めに受診するようにしたいですね。

治療は症状を和らげるような薬の服用やリハビリなどが中心となります。

 

 

血流不全

足を流れる血液は、心臓へ戻るときには下から上へと、重力に逆らって上がっていく必要がありますよね。

血液を心臓のある上へと押し上げているのがふくらはぎの筋肉ですが、足の血流が滞ると足にしびれや痛みが現れることがあるのです。

血流不全の原因として考えられるものには、

 

  •  ふくらはぎの筋力不足
  •  靴下、ストッキング、下着などの締め付け
  •  長時間立ちっぱなし、歩きっぱなし
  •  冷え性

などがあります。

また、足の血流不全を起こす病気(閉塞性動脈硬化症、バージャー病など)の可能性もあるので注意しましょう。

特に病気の可能性がないなら、足の血行を改善する工夫をしてみると良いですね。

いくつかその方法をご紹介したいと思います。

 

温冷交代浴

お風呂での半身浴や足湯も良いのですが、温めたり冷やしたりを繰り返す温冷交代浴も効果的です。

40~42度ほどのお湯に1~3分ほど足を入れ、今度は10度くらいの水に1~2分ほど入れます。

シャワーの場合は冷水を20秒ほどかけ、これを何回か繰り返して最後は必ず冷たい水で終わりにしましょう。

温冷交代浴は自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを整えるので、血流改善にも繋がります。

ただし、心臓の疾患がある方は控えるようにして下さい。

 

ふくらはぎのマッサージ

ふくらはぎを足首から膝のほうへと、自分が気持ち良いと思える強さでマッサージします。

しびれや痛みの状態を見ながら、無理のない範囲で行いましょう。

捻挫や筋肉の炎症など、ほかの原因があるときは行わないようにしてくださいね。

 

ふくらはぎの筋力アップ

怪我の予防のためにも、適度な運動やストレッチで筋力アップしておくことは大切です。

特にふくらはぎの筋力が不足していると血流不全を起こしやすいので意識しましょう。

立った状態、もしくは座った状態でかかとの上げ下げをするだけでも効果はあります。

歯を磨いているとき、通勤電車の中で、ちょっとした時間に意識してやってみてはいかがでしょう。

 

 

さいごに

普段、立ったり歩いたりと何気なく使っている足首ですが、足関節を構成している骨をはじめ、靭帯や筋肉、神経など、複雑な構造をしていることが分かりましたね。

足首は捻挫しやすい部分なので、痛いと「ちょっと捻ったかな」と思って終わりにしがちですが、必ずしも捻挫とは限りません。

きちんと正しい治療を受けて治さないと、後々スポーツができなくなったり、歩くのに支障が出てしまうことだって考えられます。

痛みがあるなら無理はしないで、早めに整形外科などを受診しましょう。

 

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