CRPとともに炎症反応を見る検査が「赤血球沈降速度検査」(ESR)。

「血沈」や「赤沈」ともいわれ、炎症マーカーの一つとなっています。

赤血球沈降速度(赤沈・血沈・ESR)は何が分かる検査なのか、基準値や正常値はどれくらいなのか見ていきましょう。

 

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赤血球沈降速度検査(赤沈・血沈・ESR)とは?

赤血球

 

検査方法

赤血球沈降速度検査(赤沈・血沈・ESR)は炎症の程度を調べる炎症マーカー検査で、赤血球の集まりやすさである「凝集性」が分かります。

血液と一緒に血液が固まらないようにする抗凝固剤を試験管に入れておくと、赤血球が重力で沈み、透明な血漿といわれる上澄み液が分離します。

1時間置いておき、上澄み液のラインから赤血球が何ミリ下がったかを調べますが、簡単な検査方法なのでふるい分けのスクリーニング検査として利用されています。

血漿の成分

血漿はほとんどが水分ですが、プラスイオンとマイナスイオンからなる電解質が溶けています。

水分以外はアルブミン、β1グロブリンやγグロブリン、α1ポタンパク、β1リポタンパク、フィブリノゲンなどのたんぱく質が含まれます。

これらが血漿の濃度や粘度に関わっていて、赤沈の速度に反映されるのです。

 

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赤沈(血沈)検査で何が分かる?

赤沈(血沈)検査だけで病気は特定できませんが、異常の程度が重症度をあらわしていることは分かり、初期段階で異常があるかを調べるには効果的な検査です。

特にCRP (C反応性たんぱく)とは連動しやすいため、ともに見ることで炎症を診断することができます。

ただし、膠原病などは赤沈(血沈)の数値の方が重要になります。

 

赤沈(血沈)検査の値は、血漿部分が多く下がった場合は基準値よりも高くなり(亢進)、あまり下がらなかった場合は基準値よりも低く(遅延)なります。

加齢とともに数値は高くなる傾向があり、女性は生理や妊娠後期に高くなります。

赤沈(血沈)が基準値よりも高いのにCRPが高くない場合は貧血が多いですが、まれに多発性骨髄腫の可能性もあります。

 

赤血球沈降速度(赤沈・血沈・ESR)の基準値と正常値

  • 男性・・・2~10mm/hr
  • 女性・・・3~15mm/hr

 

基準値や正常値を外れた場合

数値
考えらえる病気
100mm/h以上・肋膜炎
・腹膜炎
・白血病
・多発性骨髄腫
50~100mm/以上・肺炎
・肺結核
・肝硬変
・血友病
・悪性腫瘍
20~50mm/h以上・貧血
・気管支炎
・肺結核初期
・ネフローゼ症候群
・膠原病
・心筋梗塞
1mm未満・多血症
・低フィブリノゲン血症
・播種性血管内凝固症候群(DIC)
・脱水

 

 

さいごに

赤血球沈降速度(赤沈・血沈・ESR)の検査は簡単なものではありますが、メリットの多い検査なんですね。

基準値から外れた場合は、炎症か悪性腫瘍かを判断するため、RBCやWBC、血清タンパクなどの検査もする必要があります。

 

監修臨床検査技師

内田 佑介

臨床検査技師取得後、製薬業界にてデータマネージャーとして勤務。治験の臨床検査値を数多くチェックする経歴を持つ。現在は医療系ライターとして活躍している。

 

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