血液検査の項目にあるPltというのは英語Plateletの略で、血小板数を調べるものです。

血小板と聞くと真っ先に思い浮かぶのは「かさぶた」ではないでしょうか?

Pltが基準値や正常値から外れて、多かったり少なかったりした場合、どのような病気が考えられるのか見ていきましょう。

 

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血小板(Plt)の働き

 

血小板は、骨髄の巨核球という細胞の一部がちぎれてできるもので、赤血球や白血球とともに血液細胞の一つ。

直径2~4μmで円状の形をしていて、細胞質にはα顆粒という凝固反応を促す化学物質をもっています。

血小板には「血管の収縮」「血小板の凝集」「血液凝固」という役割があります。

血管に傷がつき出血すると血小板に含まれるセトロニンが放出され、血管を収縮させたあと、血が出た場所にくっついて血栓を作ります。

 

これが一次止血で、二次止血ではフィブリンという凝固因子の繊維状タンパク質を出し、血栓をさらに強くします。

これらが乾燥したものがかさぶたで、赤血球の量が多いため赤く見えますが、フィブリンなど多数の凝固因子も含まれています。

凝固因子はフィブリンのほかにも、プロトロンビン、カルシウムイオン、トロンボプラスチンなど12種類の因子が止血作用に関わっているとされています。

 

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検査で何が分かる?

医者

 

Pltは血小板の数を見ていきますが、基準値から外れた場合に考えられるのが、骨髄の機能異常です。

血小板は、骨髄の造血細胞で作られた後に脾臓で蓄えられ、必要な時に出されます。

数が少ないと出血しやすく、多いと血液が固まりやすいため、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めるといわれています。

血小板は少ないと出血しやすくなりますが、逆に多すぎても血を固める働きが低下して出血しやすくなるため、バランスが大切なのです。

血小板(Plt)の基準値

基準値は15~40万μlという幅があり、同じ人でも時間や季節的な要因によって比較的大きな変動があります。

また基準値は医療機関や検査機関によっても違ってくるため、多少前回と違うからといってあまり心配する必要はありません。

多くの場合、血小板数が基準値より少ないというのは10万/μl以下で、多いというのは40万/μl以上のことになります。

 

血小板(Plt)数値考えられる病気
重度の減少
2万/μl以下
・白血病
・再生不良性貧血
・特発性血小板減少性紫斑病
・血栓性血小板減少性紫斑病
・溶血性尿毒症症候群
・播種性血管内凝固症候群(DIC)
・抗ガン剤や放射線治療後の副作用
中程度の減少
2~5万/μl
・肝硬変
軽い減少
5~15万/μl
・薬剤性血小板減少症
・ヘパリン起因性血小板減少症
・巨赤芽球性貧血
・膠原病
・脾機能亢進ウイルス感染
基準値
15~40万/μl
なし
中程度の増加
40~80万/μl
・出血
・鉄欠乏性貧血
重度の増加
80万/μl以上
・本態性血小板血症
・慢性骨髄性白血病
・真正多血症
・骨髄線維症

 

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血小板(Plt)が多くなる病気

 

 

血小板の増加の主な原因は産生の亢進で、「腫瘍性」と「反応性」のものに分けられます。

「腫瘍性」のものは慢性骨髄性増殖疾患といわれる血液の腫瘍が原因となり、「反応性」のものは別の疾患が原因となります。

反応性

鉄欠乏性貧血などの反応性は、あまり問題になることはありません。

鉄欠乏性貧血

貧血の大半を占めるのが鉄欠乏性貧血で、赤血球に含まれるヘモグロビンの元となる、鉄が不足して起こるものです。

鉄欠乏性貧血になると、特殊なたんぱく質が巨核球に働きかけることで、血小板も増えるといわれています。

体のだるさや頭痛、めまい、動悸や息切れなどの症状が出ますが、貧血はゆっくり進むため、症状があまり出ない人もいます。

眼瞼結膜といわれる、下まぶたをめくってみて白っぽければ、鉄欠乏性貧血の可能性が高くなります。

 

腫瘍性

腫瘍性は反応性と比べて血小板数の増加が著しく、100万/μlを超えることもあります。

慢性骨髄性白血病

白血病は急性と慢性に分けられ、さらにその中で骨髄性のものとリンパ性のものに分かれます。

慢性骨髄性白血病は、骨髄の中の造血幹細胞そのものが癌になってしまう病気。

10万人に1人の割合ですが、白血球の異常な増加から見つかることが多いようです。

遺伝子の変異が原因とされていますが遺伝性の病気ではないため、子孫に受け継がれることはありません。

 

真正赤血球増加症(真正多血症)

造血幹細胞に遺伝子変異が起こって腫瘍となり、赤血球の数が極端に増え、白血球と血小板も増加する病気です。

100万人に数人しか発症しない稀な原因不明の病気ですが、中高年の男性に多いとされています。

頭痛、めまい、赤ら顔、皮膚が痒くなる、眼の充血などの症状があり、進行すると一過性脳虚血や脳梗塞、心筋梗塞を発症する場合があります。

 

本態性血小板血症

こちらも真正赤血球増加症と同じような遺伝子変異の腫瘍性ですが、血小板が基準値よりかなり多くなります。

血栓ができやすくなる場合と、出血しやすくなる場合があります。

原因不明ですが中高年の女性に多く、慢性骨髄性増殖疾患の中では最も治療の経過が良いとされています。

頭痛、めまい、耳鳴りなどの症状があり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすこともあります。

 

骨髄線維症

骨髄が線維化してしまい、3種類の血球を作ることができなくなる病気です。

骨髄が血を作るにふさわしい場所ではなくなるため、造血幹細胞は肝臓や脾臓に移動して血球を作ろうとします。

その影響で肝臓や脾臓が腫れたり、腹痛や圧迫感が出たりするようになります。

初期には白血球や血小板が増えますが、悪化すると血小板数は減少し、動悸や息切れなどの貧血症状が出ることも特徴です。

 

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血小板(Plt)が少なくなる病気

血

 

血小板数が少なくなる主な原因は、産生の低下や破壊の亢進などがあります。

特に多く破壊された場合は、特発性血小板減少性紫斑病、播種性血管内凝固症候群などが考えられます。

産生の低下

巨赤芽球性貧血

巨赤芽球性貧血の原因は悪性貧血といわれる、胃粘膜の委縮や内分泌不全でビタミンB12の吸収が阻害されているものと、胃を全摘出したことによるものが大半です。

細胞分裂にはビタミンB12と葉酸が重要な役割を果たしていて、不足すると血球細胞も成長させることができません。

そうすると骨髄の中にある赤芽球が、成長を阻害されることで大きくなっていき、赤血球、白血球、血小板全てに変化が現れます。

葉酸が欠乏した場合は貧血と消化器の症状が出ますが、ビタミンB12が欠乏すると神経症状も出るようになります。

 

再生不良性貧血

再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞が減少することで赤血球、白血球、血小板の3つ全てが減少してしまう病気です。

これを汎血球減少といいますが、感染症にかかりやすくなったり、出血しやすくなったりします。

先天性と後天性がありますが、後天性は原因不明で、免疫の異常が関係しているとも考えられています。

放ってしまうと経過が悪くなりますが、適切な治療を受けることで改善が期待できる病気です。

 

急性白血病

急性白血病は造血細胞が成長をやめてしまい、骨髄の中で異常増殖してしまうことで、赤血球、白血球、血小板が減少します。

10万人に3~4人の割合で発症し、急性骨髄性は50歳以上に多く、急性リンパ性は10歳未満に多いとされていますが、確率的には低い病気です。

主な症状は発熱や全身のだるさ、貧血、歯茎からの出血などで、風邪だと思って検査をしたら分かったというケースもあります。

急性骨髄性と急性リンパ性に分かれますが、進行が早く急激に悪化するため、早期に治療する必要があります。

 

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破壊の亢進

肝硬変

肝硬変は、肝臓が線維化して硬くなることから名付けられた病気で、血小板が減少していきます。

肝臓が委縮すると脾臓から血液が流れなくなり、脾臓が腫れていきます。

脾臓は血小板の多くを蓄え、古くなった血小板を壊す場所でもあります。

脾腫になると、破壊の亢進と産生低下が複雑に絡みあって数が減少するといわれています。

 

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

自分の血小板に対して抗体を作り、攻撃してしまう免疫の病気です。

作られた抗体が血小板と結びつき、脾臓で壊されることで血小板数が減ってしまうといわれていますが、詳しいことは分かっていません。

出血しやすくなるため、点状や斑状の出血、鼻血、歯茎の出血、血尿、下血、脳出血などの症状が出ます。

 

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は急性型と慢性型に分かれていて、急性型は子どもに多く、慢性型は成人の女性に多いのが特徴。

急性型は、ウイルス感染後や予防接種後に起こりやすいですが、80%近くは半年以内に自然に治るとされています。

慢性型は症状が緩やかですが治りにくく、血小板の減少が半年以上続きます。

ヘリコバクター・ピロリ菌が関わっているともいわれ、陽性である場合はピロリ菌の除去を行うこともあります。

 

播種性血管内凝固症候群(DIC)

血液の凝固作用が強くなりすぎることで、いくつもの小さな血栓が体中に多発するものです。

血を固めようとする作用とは逆に、血栓を溶かそうとする作用もあるため、凝固と溶解のバランスが悪くなる病気でもあります。

結果的に出血しやすくなったり、血栓が臓器内にある細い血管内で詰まったりすることも。

基礎疾患といわれる元々持っている持病が関係していて、白血病や前立腺がん、肺がん、敗血症などが関わっています。

 

 

さいごに

血小板(Plt)数値の異常には様々なものがあり、数だけではなく機能の異常にも注意が必要です。

血小板数が基準範囲内でも出血傾向がある場合、血小板機能検査を血液内科で受けることをおすすめします。

 

監修臨床検査技師

内田 佑介

臨床検査技師取得後、製薬業界にてデータマネージャーとして勤務。治験の臨床検査値を数多くチェックする経歴を持つ。現在は医療系ライターとして活躍している。

 

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