テレビで「食中毒による集団感染」なんてニュースを聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。

食中毒というと、同じ食べ物を口にした人たちが同時に感染するイメージが強いかもしれません。

しかしウイルスや細菌が原因の場合、ヒトからヒトへとうつってしまうこともあるのです。

今回はうつる可能性のある、細菌やウイルス性の食中毒を中心に解説していきます。

 

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食中毒って?

はてな

 

食中毒になった際に現れる一般的な症状は下痢や嘔吐、腹痛、発熱などですが、頭痛や胸やけを訴える人もいます。

いわゆる胃腸炎と判断されるこれらの症状は、一見すると風邪の症状と似ているため食中毒と気付かないこともあります。

食中毒と胃腸炎は同じ?

食中毒は、飲食物の中に含まれる原因物質を口から摂取することで起こります。

食中毒になることで消化器官に症状が出ると、胃腸炎となります。

胃腸炎の原因にはストレスや暴飲暴食など、食事以外のものも含まれるため、食中毒と胃腸炎は明確にはイコールではありません。

 

自然に治っていくことも多いですが、感染源によっては強い感染力を持つものもあるため注意は必要。

一口に食中毒といっても、原因物質によって症状や潜伏期間、治るまでの期間は変わってきます。

潜伏期間の長いものだと、何が原因なのか特定することが難しくなってしまい、知らない間に周りにも感染しているというようなことも出てきます。

原因物質

食中毒の原因となるものは色々あります。

 

  • 細菌やウイルス
  • フグや毒キノコなどの自然毒
  • メタノールなどの化学物質
  • アニサキスなどの寄生虫

 

これらの原因物質は、調理の際に洗い方が不十分のため混入してしまうケースが多いです。

またノロウイルスは牡蠣などの二枚貝に入っていることがあり、十分な加熱をせずに食べることで感染することもあります。

 

ヒトからヒトへとうつるもの

原因物質が細菌やウイルスの場合、ヒトからヒトへと感染することがあります。

感染原因の一つに、吐しゃ物や便に含まれた菌が空気中に拡散することが挙げられます。

子供が食中毒になって嘔吐した時に大人が処理することも多いですが、対策をしっかりと行わないと感染してしまうのです。

 

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細菌が原因の食中毒

カンピロバクター菌

食中毒の原因菌として最も多いと言われているカンピロバクター菌。

鶏肉や牛レバーなどの食肉に含まれていることが多く、十分な加熱処理がされていないことで感染します。

また生肉が他の食品と触れてしまったり、生肉に使った調理器具を他の食材にも使ってしまったりすることで、二次感染が起こります。

生肉を触った手も要注意なので、しっかりと手洗いしてから次の作業に移るようにしましょう。

 

他にも殺菌処理が不十分な井戸水、ネコなどのペットが感染しているというケースも。

カンピロバクター菌は1~7日の潜伏期間の後、風邪のような症状が出てきます。

一週間ほどで自然回復していきますが、稀にギランバレー症候群を発症することもあります。

 

ギランバレー症候群って?

下痢などの症状の後に、筋力の低下や手足の麻痺、脱力感があるようなら要注意。

ギランバレー症候群は難病の一つで、カンピロバクター菌による食中毒になった人のうち、1000人に1人の確率で発症すると言われています。

ギランバレー症候群になっても回復はしてきますが、筋力低下により後遺症が残ったり、呼吸器官の機能が低下することもあります。

 

サルモネラ菌

カンピロバクター菌の次に多いサルモネラ菌は、家畜が体内に持っていることが多く、卵や肉に含まれています。

注意が必要なのは卵で、加熱がされていない生の状態で食べることで感染します。

手作りドレッシングやマヨネーズなど、知らない間に生卵が使われていて口にしてしまうことがあるのです。

他にもカンピロバクター菌と同じように、イヌ・ネコなどのペットと口を介して感染することもあります。

潜伏期間は平均12時間ほど、下痢や腹痛に38~40度の高熱を伴いますが、3~4日で自然回復することが多いです。

 

O157 腸管出血性大腸菌

平成8年の大阪での集団感染では1万人近くが感染し、死亡者も出てしまったため、O157は恐ろしいという印象が残っているかもしれません。

O157は強い感染力と毒性があって、体内でベロ毒素というものを作り出し、出血性の下痢を引き起こします。

学校給食などで集団感染することが懸念され、大阪の件でも児童3人が亡くなっています。

 

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ウイルスが原因の食中毒

ノロウイルス

ウイルス性食中毒で有名なものはノロウイルスでしょう。

冬場にヒトからヒトへの感染で大流行するため、食中毒というよりも感染性胃腸炎と呼ぶほうが正しいのかもしれません。

潜伏期間は24~48時間で、激しい嘔吐や下痢、37~38度の発熱などがありますが、3日以内に回復します。

 

ノロウイルスは熱に強い特性を持っているので、食品の中心を85℃~で90秒以上、加熱する必要があります。

感染力が非常に強く、吐しゃ物の処理などで次々に感染していく可能性があります。

アルコール消毒への耐性もあるため、より殺菌性の強い、次亜塩素酸ナトリウムなどを含むノロウイルス専用の除菌剤を用意する必要があります。

 

 

食中毒への対策

食中毒の3原則

厚生労働省が発表しているもので、食中毒菌を「付けない・増やさない・やっつける」

食中毒予防の基本とも言えますね。

6つのポイント

上記の3原則を実行するために必要な6つのポイントも、厚生労働省のホームページで詳しく解説しています。

基本は食事を作って口に入れるまでの行動に注意するということ。

 

  1. 食品を購入する時
  2. 自宅での保存方法
  3. 料理の下準備
  4. 調理
  5. 食事をする時
  6. 残り物の保存方法

 

この6つのシーンで、いかに食中毒菌を寄せ付けないかがカギとなってきます。

 

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食中毒になってしまった時の治し方

水分補給して自然回復を待つ

食中毒で一番心配なのが、嘔吐や下痢による脱水症状です。こまめな水分補給を心がけましょう。

冷たいものよりも、常温のスポーツドリンクや水を摂取することが効果的です。

症状が治まってきたら、胃腸に負担のかからないお粥など消化のよいものを食べて体力をつけていきます。

 

食中毒のほとんどは自然回復するため、水分補給をしっかりして安静にしていることが近道です。

ただし明らかにひどい場合や、気になる症状が出ている場合には速やかに医療機関を受診しましょう。

場合によっては、医師の判断で抗生物質や解熱剤などを処方されることがあります。

 

下痢止めは使わないこと

下痢がひどいと使いたくなりますが、下痢止め薬は使わないようにしましょう。

下痢によって原因菌やウイルスが体外へ排出されているので、無理に止めてしまうと原因物質が排出されにくくなってしまいます。

下痢は体内の悪いものを出してくれているのだと思って、少しの間我慢して下さい。

 

 

うつらないために

医者 ポイント

加熱が効果的!

原因菌やウイルスのほとんどは、熱に弱い特性を持っています。

食品は、中心温度を75度で1分以上加熱することで、ほとんど死滅します。

ただし熱に強いノロウイルスは、中心温度を85~90度で1分半以上加熱することが必要になってきます。

 

吐しゃ物などの処理は慎重に

吐しゃ物はヒトからヒトへの感染原因となるので、注意して処理するようにしましょう。

 

  • ゴム手袋の着用
  • 処理後の手洗いを入念に行うこと
  • 吐しゃ物が触れた部分の消毒
  • 衣服や処理に使った雑巾などを別に洗濯する

 

感染予防の基本は手洗いと消毒です。

ドラッグストアなどでは手指消毒スプレーなども売られていますし、調理器具の消毒に使えるエタノールなどもあるので、それらを上手く活用できると良いでしょう。

 

こちらの記事も参考にしてみて下さい。

食中毒で熱が出たら薬を飲んでもいい?

生牡蠣で食中毒に!潜伏期間やノロ以外の症状もチェック

腸炎のときはどんな食事をするべき?

カンピロバクター食中毒の症状はうつる?感染経路や潜伏期間と治療法

 

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参考:厚生労働省 「食中毒予防の3原則」