骨折全体で見たときに、鎖骨骨折の占める割合は10%と頻度が高いことがわかります。

スポーツをしている人、よく自転車やバイクに乗るという人にとっては身近な怪我かもしれませんね。

鎖骨骨折で手術をする場合には全身麻酔となることが多く、なんだか大変なことのように感じてしまいます。

でも、本当に手術を受けなければいけないのでしょうか。

鎖骨を骨折したときの手術の必要性について、考えていきたいと思います。

 

Sponsored Link

 

鎖骨は骨折しやすい?

鎖骨はどんなとき、どんな人が骨折しやすいのでしょう。

鎖骨は首の下で左右に伸びる骨で、肩関節と繋がっています。

鎖骨はデリケート

主に肩を動かすときに支点となって動きをサポートしていますが、ほかにも呼吸をサポートする役割なども持っています。

鎖骨はゆるS字に湾曲しているため、直接的な衝撃だけでなく間接的な衝撃によってもダメージを受けやすくなっています。

腕を伸ばしたまま転んだ時や、肩や肘を下にして転んだときなどの衝撃によって、S字部分に負荷がかかり折れてしまうのです。

 スポーツや転倒事故に注意

具体的なシーンとしては自転車やバイクの転倒事故、スポーツでの転倒、ラグビーやアメフトなどのぶつかる競技でも多く見られます。

男女比で見ると男性のほうが多く、子供が遊んでいて転んだときにも多い怪我となっています。

 

Sponsored Link

 

症状

鎖骨を骨折すると、まず見た目でわかることも多いです。

骨の形が明らかにおかしかったり、もしくは肩が下がっていたり。

鎖骨骨折は中央寄り1/3の部分で起こることが多いのですが、筋力バランスが変化して、肩幅が狭くなったように見えます。

ほかには痛み、肩の腫れや皮下出血、肩を動かしづらくなって無理に動かすと強い痛みを感じたりします。

 

治療法

鎖骨骨折は手術しか選択肢がないのかといったら、そんなことはありません。

鎖骨を骨折した場合、多くは保存療法が取られます。

クラビクルバンド(鎖骨バンド)などを使って胸を張るような姿勢をキープさせ、鎖骨がきちんと癒合するように促します。

鎖骨バンド

病院の処置でよく用いられるのが、クラビクルバンドと呼ばれるもの。

両肩を後ろにぐっと引くような、肩甲骨をくっつけるような感じの姿勢をキープして、鎖骨ができるだけ元の形でくっつくようにサポートします。

これは、鎖骨部分が前に丸まって収縮してしまうのを防ぐためのものとなっています。

鎖骨バンド以外にも、三角巾で腕を吊って肩の負担(腕の重さ)を軽減させる処置を行う事もあります。

 

どのくらい固定しておく?

子供の場合は2~3週間、10代後半以降になると4~8週間ほどはしっかり固定させておく必要があるとされています。

もちろん骨の癒合には個人差があるので、病院で経過を見ながら行っていきます。

きちんと癒合していない状態で固定を外してしまうと、少しの衝撃で再骨折してしまうこともあります。

鎖骨の近くには大事な神経や血管も通っているので、それらを傷つけないためにも慎重に治していきたいですね。

 

Sponsored Link

 

 

手術が必要な場合

検査

骨のズレが大きい場合など、骨折の状態によっては手術をすすめられることもあります。

折れた骨が皮膚をつき破る複雑骨折(開放骨折)の場合もすぐに手術しなければなりなせん。

数か所で同時に骨折が起きている場合や、骨片が多い場合にもきちんと癒合させるために手術が必要となります。

 

もしくは、保存療法できちんと癒合しなかった場合にも手術となることがあります。

骨が癒合しないまま治らない状態を「偽関節」といい、グラグラして生活に支障をきたしてしまうこともあります。

スポーツをしている人の場合は復帰が難しくなってしまうので、リスクなども医師と相談し、納得した上で受けるようにしましょう。

手術

鎖骨骨折の手術は全身麻酔で行われることが多く、ワイヤーやプレートを入れて固定させる処置となります。

治るまでの期間

骨折の治癒目安として、ドイツ人外科医グルトが発表した「グルトの骨癒合日数」というものが基準として使われます。

「グルトの骨癒合日数」は骨が癒合するまでの最短日数の目安で、鎖骨の場合は4週間となっています。

ただし、あくまで目安なので個人差があること、骨の癒合=完治ではないことなど頭に入れておいてください。

 

Sponsored Link

 

ワイヤーやプレートを入れる

鎖骨骨折の手術では、骨折部を切開してワイヤーやプレートを入れて骨を固定します。

折れた骨を正しい位置に接合したら縫合し、その後、骨折が治ったことを確認したら金具を取り出すため再手術となります。

 

ワイヤー(ピンニング)はピン状のワイヤーを鎖骨に巻き付けて固定する方法で、傷痕が小さくて済むというメリットがあります。

ただし固定強度は弱いため、無理に動かしたりすると骨がズレてしまう可能性があります。

 

プレートは金属の板を鎖骨に沿って当て、ネジで固定する方法。

しっかりと固定されるため早くからリハビリが可能になるというメリットがありますが、プレートが大きい分、傷痕も大きくなってしまいます。

 

入院期間

手術は全身麻酔で行われることが多いため、入院が必要になってきます。

入院期間は病院によってまちまちですが、手術後は数日で退院できることが多いようです。

 

入院・手術費用

入院や手術にかかる費用も病院にもよりますが、3割負担で15万円前後となることが多いようです。

ちなみに、健康保険の制度に「高額療養費制度」というものがあり、申請をすると多く払い過ぎた分の費用が戻ってくることがあります。

 

これは月収により1か月の治療費の上限額が決まるもので、それを超えた分が戻ってくる仕組み。

入院中の食事代や個室代などは対象外で、ほかにも様々な注意事項があります。

高額療養費は加入している医療保険制度によって違いますので、保険証に記載されている保険者名称を確認して問い合わせると良いでしょう。

 

Sponsored Link

 

リハビリ

元の状態に戻すためにリハビリは重要です。

リハビリのメニューは個人に合わせたものになるので、しっかり病院で指導を受けてください。

リハビリの目的は、肩関節や肩甲骨などの可動域を回復させること。

 

鎖骨と繋がっているこれらの部分がスムーズに動かせるように訓練していきます。

肩の可動域を最初は45度、次は90度と徐々にを広げていきます。

よく行われるリハビリには、前かがみになって腕をだらんと下げ、そのまま前後に動かしたり円を描くように動かしたりするものがあります。

 

前かがみになることで、自然と肩をあげた形になるので負担が少なくなります。

ほかには、骨折した側の腕をもう片方の腕で支えて持ち上げる方法なども取られます。

リハビリは病院だけでなく自宅でも継続して行う必要があるので、しっかり元に戻すためにも根気強く続けていきましょう。

 

 

さいごに

鎖骨骨折では、骨折の状態にもよりますが保存療法が取られることが多いです。

しかし、状態によっては手術をしないと生活に支障をきたしたり、鎖骨周囲にある大事な神経や血管を傷つけてしまうこともあります。

医師とよく話し合い、メリットやデメリットを自分でもしっかり把握したうえで手術を受けるかどうか決めるようにしてください。

 

Sponsored Link