左脇腹には、胃、膵臓、左の腎臓、左の尿管、大腸と小腸、そして女性なら左の卵巣があります。

どれも大事な臓器ばかりですね。左脇腹の鈍痛で身近なものには“便秘”があります。

しかし、ただの便秘と思っていたら大腸がんだった、なんてことも。

左脇腹の鈍痛の原因として「便秘」を中心に、急性胃腸炎とすい臓がんについても見ていきたいと思います。

 

Sponsored Links

 

便通異常(便秘)

腸

 

便秘や下痢はよくある症状なだけに油断しがちですが、大腸でなにかしらの異常が起こっている可能性が強くなります。

ただ単に生活習慣の問題である場合もありますが、腫瘍やポリープ、腸閉塞などの病気が隠れていることもあるので注意が必要です。

便秘かどうかの判断は、排便回数と本人の感じ方によります。

 

学会の基準はそれぞれ違いますが、一般的には3日以上排便がないと便秘とされています。

しかし、本人が2日に1回でも排便困難(便が出にくい、残便感があるなど)を感じているのなら、便秘と判断されることもあります。

便秘は大きく分けて2種類。

他の病気が原因となっていて腸の“形”に問題がある「器質性便秘」と、腸の“機能”に問題がある「機能性便秘」があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

Sponsored Links

 

器質性便秘

腫瘍

 

腫瘍やポリープ、もしくは腸閉塞など“腸の形”に問題があり便秘が起こっている場合には、病院で診てもらい適切な治療を受ける必要があります。

とくに急に便秘になった、悪化した、血便など便異常がある、嘔吐や腹痛などほかの症状がある場合には注意が必要です。

大腸がん

大腸がんには食生活が大きく関わっています。

日本でも、食の欧米化によって高脂肪・高たんぱくな食事をする人が増え、大腸がんの患者数も増えています。

とくに女性ではがん死亡率で大腸がんがトップの状態が続いているので気を付けたいですね。

 

早期には自覚症状が無いことも多く、検診の便潜血で発見されることも多くなっています。

症状は左右で違い、左側なら比較的早い段階から血便が見られ、便秘と下痢をくり返したり、便が出にくいなどの排便困難があります。

対して右側では軽い腹痛があるくらいで、がんが大きくなるまで気づかないことも。

大腸がんは早期に治療をすれば完治率も高いので、便秘や痔だと思っても可能性として考えることは大切です。

 

急性腹膜炎

腹膜とは、横隔膜より下の内臓がある部分(腹腔)を包んでいる膜のことで、細菌感染や刺激が加わったりすると炎症が起こります。

とくに虫垂炎や急性胆嚢炎と合併することが多く、炎症が腹膜にうつっていることが考えられます。

まずは狭い範囲での腹痛がありますが、次第に広がっていき全体的な痛みへと変わります。

ほかには吐き気や嘔吐、発熱、便秘などの症状も見られます。

 

Sponsored Links

 

腸閉塞(イレウス)・腸捻転

イレウスとも呼ばれる腸閉塞は、食べ物や消化液、ガスなどの流れが腸でストップしてしまいます。

腸捻転は腸閉塞の一部で、腸が捻じれることで同じように流れがストップしてしまう病気です。

原因には腸と腹壁の癒着(開腹手術をした人に多い)、大腿ヘルニア、大腸がんなどがあります。

 

腸が自然に捻じれることもあり、また便秘が続くことで塞がってしまうこともあります。

突然に腸が詰まることで、キリキリとした激しい腹痛や吐き気、嘔吐が見られます。

またガスの流れもストップするため、お腹の張りを感じることもあります。

 

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は難病指定されていて、難病の中では最も発病率が高いと言われています。

大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる病気で、20代に多く見られます。

原因は解明されていませんが、免疫機能の不調、食の欧米化やきれいすぎる環境(上下水道が完備されている)などの要因が考えられます。

主な症状は下痢と血便ですが、ほかに腹痛や発熱も見られます。

 

子宮筋腫

子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、けっして珍しい病気ではなく、検診などで偶然に発見されることが多いです。

原因は不明で、卵巣ホルモンが関係しているため成熟期に成長を続け、人によってはかなり大きくなることもあります。

月経過多や貧血などがありますが、子宮筋腫は更年期を過ぎると縮小する傾向にあります。

月経血に塊状の血液が多く見られたり、月経痛や腰痛、便秘といった症状もあります。

 

Sponsored Links

 

機能性便秘

便秘

 

“腸の機能”で便秘がある場合には、主に生活習慣が原因となっていることが多いため、改善される可能性が十分にあります。

とくに食の欧米化、食物繊維の不足、そしてストレスが大きく関わっているようです。

機能性便秘は大きく分けて3種類あります。

弛緩性便秘

腸の筋力が低下して、腸の蠕動運動が弱くなってしまうことで便秘になります。

高齢者や寝たきりの人、若い女性、運動不足の人に多く見られ、黒っぽい、硬くコロコロした便が特徴。

腸内環境の悪化により悪玉菌が増え、ガスが増えることでお腹が張ったり、肌荒れを引き起こしたりすることもあります。

 

痙攣性便秘

弛緩性便秘とは逆に、腸の蠕動運動が活発になってしまうことで起こる便秘です。

腸が痙攣するように動くことで、便の排出が上手くいかなくなります。

自律神経の乱れによるもので、ストレスが大きく関係しているため誰にでも起こる可能性はあります。

便秘と下痢を交互に繰り返し、便秘時には硬くコロコロとした便が出ます。

腸が活発になっている状態なので、下剤の使用や食物繊維の摂取は症状を悪化させてしまうこともあります。

 

直腸性便秘

直腸は、腸の中でも最も肛門に近い部分で、その部分の機能障害によって便秘が発生します。

直腸まで便が来ても便意を感じないため排泄がされず、溜まった便が硬くなって便秘になるという悪循環に陥りやすいことが特徴。

便は太く硬く、無理に排出しようとすると痛みを感じます。

痔など肛門まわりに異常があるほか、下剤に頼った排便、便意を我慢する習慣などが原因となります。

とくに女性は、外出先など人目を気にする場所で便意を我慢しやすいため、注意が必要です。

 

Sponsored Links

 

便秘対策

医者 ポイント

 

まずは病気の可能性が高い「器質性便秘」か、生活習慣による「機能性便秘」なのかを見極める必要があります。

便秘になったからすぐ病院に行く、というのは難しいと思いますが、病気の可能性を排除することは大切です。

とくに便秘が長く続いている、急に悪化した、血便など他の症状があったりする場合には一度、病院で診てもらうようにしてください。

では、自宅ではどんな改善方法があるのか見ていきましょう。

腹筋

排便には“いきむ”ことが大事で、そのためはお腹に力を入れなくてはいけないので、腹筋を強化しておくことは有効です。

本人に無理のない範囲で、軽いものから始めていきましょう。

腹式呼吸も腸を刺激するため良いですし、おへそを中心に「の」の字にマッサージするのも良いでしょう。

お腹のマッサージは、食べ物が腸へと移動する食後3~5時間のタイミングで行うと効果的です。

繊維質を摂る

食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。

水溶性食物繊維には、水分を吸収することで便を柔らかくする作用があり、海藻や緑黄色野菜、果物などに多く含まれます。

不溶性食物繊維には、便のかさ増しをして腸を刺激することで蠕動運動を活発にする作用がありますが、摂りすぎると便が硬くなってしまうので気を付けましょう。

ごぼうなどの野菜、イモ類、キノコ類、穀物などに多いです。

 

Sponsored Links

 

水分を摂る

特に不溶性食物繊維の時は、便を柔らかくするために水分を多めに摂ることも大切です。

また、朝起きたら冷たい水をコップに一杯飲むと、腸が刺激されて排便を促すことができます。

乳酸菌を摂る

乳酸菌には腸の善玉菌を増やす作用があるので、腸内環境の改善につながります。

ポイントは自分に合った乳酸菌を摂ることで、ヨーグルトも商品によって違った乳酸菌が入っていますよね。

乳酸菌は摂ってすぐ腸内環境が改善するわけではないので、同じものを2週間以上は続けるようにしてください。

さらに排便の状態をチェックして、改善が見られないようなら別の乳酸菌を試します。

生活習慣の改善

ストレス、睡眠不足、食生活の乱れ、運動不足などは大丈夫ですか?

また、お腹の冷えには血行不良を招き、胃腸のはたらきを低下させてしまうので要注意です。

お腹が冷えやすいという人は、服装などを調節して対策を取りましょう。

排便習慣の改善

たとえ便意がなくても毎日、朝食後にはトイレに行く習慣をつけると便秘改善につながります。

また、直腸性便秘の原因として挙げられる便意の我慢も良くありません。

 

外出先などでもできるだけ我慢はせずに、便意があるタイミングで排泄するようにしましょう。

便秘がひどいと下剤を使う人もいると思いますが、自分がどの便秘に当てはまるのか知らずに自己判断で下剤を使っていると、かえって悪化させてしまう可能性があります。

また使いすぎると、自力で排泄することができなくなるので、使いたい人は医師や薬剤師に相談をしてからのほうが安心です。

 

Sponsored Links

 

左脇腹に鈍痛がするその他の原因

腹痛

急性胃腸炎

いわゆる“胃腸風邪”も、急性胃腸炎の一部です。

突然の下痢と嘔吐が特徴で、さらに腹痛や発熱、吐き気なども見られます。

急性胃腸炎の原因には、細菌やウイルスなどの感染性のものと、それ以外の非感染性のものがあります.

 

感染性の細菌には、サルモネラや黄色ブドウ球菌といった食中毒を引き起こすもの、チフスやコレラなど重症のものもあるので注意が必要です。

ウイルスでは、ノロウイルスやロタウイルスが多く見られますね。

非感染性の原因は、食物アレルギーや薬剤、生活習慣、とくに食生活の乱れが考えられます。

下痢や嘔吐がひどいと高齢者や子供では脱水が心配されるので、水分補給は自宅でもしっかり行うようにしてください。

 

すい臓の異常

すい臓は胃の後ろ、やや左寄りにある60~70gほどの臓器です。

主な役割は、膵液を分泌して消化を助けることと、インスリンなどを分泌して血糖値の調整を行うこと。

すい臓がんの90%は、膵管という組織の細胞で発生します。

 

早期では無症状であったり、お腹の違和感があるくらいで、胃や背中のあたりに違和感が出ることもあります。

進行すると違和感は鈍い痛みへと変化していき、体重減少や食欲不振、黄疸などの症状も見られます。

 

末期になると吐血や下血、腹水などもありますが、50代以降の男性に多く、生存率が低いことが特徴。

喫煙が原因として有力で、ほかには糖尿病や慢性膵炎を患っていること、肥満なども挙げられます。

膵炎からすい臓がんに移行させないように、日頃から血液検査をチェックしておくことが大切になります。

 

 

さいごに

今回は便秘を中心に見ていきましたが、ご紹介した原因以外にも左脇腹の鈍痛で考えられることはたくさんあります。

便秘もただの便秘だと油断していると、思わぬ病気があとになって発見されるかもしれません。

便秘で病院というのも行きづらいと思いますが、心配なことがあれば診てもらったほうが安心できると思います。

 

血清アミラーゼが高い・低い!基準値と正常値はどれくらい?

右の脇腹が痛い6つの病気とは?

 

Sponsored Links

 

【参考】
「大腸がん」慶応義塾大学病院