メディアでの情報発信も増え、「うつ病はこころの風邪」というキャッチコピーをよく耳にするようになりました。

しかし風邪のように自然に治ったり、気力で治せるものでもありません。

そのため最近では、うつ病を「こころの(疲労)骨折」と表現するところも増えてきました。

しっかりと治療すれば、完治も十分に望める病気です。

うつ病の初期症状や、「こころ以外」の原因を中心に見ていきたいと思います。

 

Sponsored Link

 

 

うつ病とは?

はてな

 

日本人の100人に3~7人が経験したことがあるという抑うつ症状。

本人にとっては辛い症状でも、周りからしたら「気持ちの問題なんじゃないか」と思ってしまいますよね。

 

メディアなどを通して、うつ病に対する理解が広まりつつありますが、残念ながら「うつ病は甘えだ」という認識の人がいることも事実。

しかし、うつ病は脳に異常がある、れっきとした体の病気です。

気力で治せるものではなく、きちんと薬などの治療を受けることが大切なのです。

 

うつ病は脳の異常

うつ病になるメカニズムとしては「モノアミン仮説」という説が有力です。

脳の神経伝達物質に異常があるということです。

私たちの脳内には神経細胞が張り巡らされていて、全身の神経へと命令を出しています。

この神経細胞一つ一つの間にはすき間があり、そのすき間を繋いでいるのが「シナプス」と呼ばれるもの。

 

シナプスでは「神経伝達物質」というものを利用して、繋いでいる神経細胞どうしが信号を送り合えるようにしています。

神経伝達物質には100種類以上あります。

その中の、セロトニン・ノルアドレナリン・ドパミンの3つに異変があると、うつ病になりやすくなるといわれています。

3つの神経伝達物質の役割は主に感情のコントロールなので、減少したり、弱まったりしてしまうと抑うつ症状が出てしまうのです。

 

Sponsored Link

 

 

うつ病の初期症状をチェックしてみよう

チェック項目

 

うつ病の症状というと、抑うつ症状など気分的なもののイメージが強いですが、その症状は人によって様々です。

うつ病の初期症状

うつ病の初期症状としては、心より先に、体の不調を感じることが多くなっています。

しかし体の不調に関しても、症状は人それぞれ。

代表的なものには以下のようなものが挙げられますが、それ以外でも覚えのない不調が現れたら注意が必要です。

 

  • 眠れない、眠りが浅い
  • 眠っても疲れが取れない
  • 食欲がない
  • 体重がひと月に5~6kg減る
  • 動悸、息切れ
  • めまい
  • 倦怠感
  • 頭痛、肩こり
  • 生理不順
  • 判断力や集中力の低下

 

病院に行く勇気を

「うつ病かもしれない」と病院に行く時には、すでに抑うつ症状が出ていることが多いと思います。

しかし抑うつ症状というものが自分ではどの程度なのか分かりづらいため、病院に足を運べないという人もたくさんいます。

基準としては「ただの気分の落ち込みではない」という状態です。

 

仕事のミスなどで、ちょっと気分が落ち込む程度だったら誰にでも経験がありますが、うつ病のそれは、普通のレベルではありません。

まずは自分で「明らかにいつもと違う」と思える時。

そして他人から見て「病院に行ったほうがいい」と言われる時。

 

うつ病にかかっている人は、自分がうつ病だとあまり思いません。

そのため周りの人が、表情が暗かったり涙もろくなったりと、いつもと違う様子に気付いたら病院をすすめてあげることも重要です。

病院に行くタイミングとしては、いつもと違う抑うつ症状が2週間以上続く時です。

その状態がほとんど1日中、すべての生活において現れるというような時は、迷わず病院へ行きましょう。

 

Sponsored Link

 

病院での診断基準

 

うつ病の診断で大切なのは、患者の全体をよく診るということ。

うつ病だと思っていても、違う病気が原因として隠れているという可能性もあります。

いわゆるうつ病と呼ばれる病気は、正確には「大うつ病」。

 

もしそこに活発になる躁状態があれば「躁うつ病」になりますし、「統合失調症」などの精神疾患の症状の一つとして抑うつ症状が出ているという可能性もあります。

環境や過去にかかった病気など、症状以外のことも問診で聞き取る必要があるのです。

うつ病かどうかを診断するにあたって、特に注目する部分には以下のようなものがあります。

憂うつ感

訳もなく悲しくなったり、涙が止まらなくなったり、激しく落ち込んだりする症状が重いことが特徴です。

この重さの程度は本人では判断が付きにくいため、問診でよく状態を話し合うことが大切になってきます。

興味や喜びの喪失

趣味だったものが突然楽しめなくなったり、面白いや嬉しいといったプラスの感情が現れなくなります。

日常生活で何に対しても関心がなくなったという場合には、うつ病の可能性が高くなります。

自責感

自分のことを低く見てしまい、それに抑うつによる生活の支障が重なって「自分は何をやっても駄目だ」と思い込んでしまいます。

自分がすべて悪いのだと感じるようになり、悪化すると「死にたい」と自殺願望を抱くようになってしまいます。

制止

意欲の低下や、思考の減退により前に進めなくなる状態のことです。

お風呂に入るのが面倒、食事が楽しくないといったことが重なって、日常生活にも支障が出てしまう辛い症状です。

疲れやすくもなり、常に疲労感に悩まされる人もいます。

体の不調

上記の「うつ病の初期症状」で挙げたような体の不調があるかということも、うつ病の診断基準として大切です。

心の不調に目が行きがちですが、うつ病を患っている人は皆、何かしら体の不調を持っているといわれています。

 

Sponsored Link

 

 

うつ病の原因

心理的な要因

うつ病を発症する原因としてよく挙げられるのは、仕事のミスであったり、人間関係であったりと、精神的なストレスです。

ほかにも、親しい人の死や、金銭トラブル、引っ越しや育児などの環境の変化でうつ病を発症する人もいます。

うつ病になりやすい性格として「メランコリー親和型性格」というものがあります。

 

几帳面、正義感や責任感が強い、まじめで仕事熱心である人はストレスを抱えやすいため、注意が必要です。

ただし仕事のミスなどは、うつ病になる「きっかけ」に過ぎないことも。

うつ病は何か一つの原因で起こるものではなく、いくつかの要因が重なって発症するものとされています。

 

身体的な要因

意外かもしれませんが、脳の病気や薬の副作用など、器質的要因と呼ばれるものも、うつ病を発症する原因として挙げられます。

これらの特徴としては、前頭葉や視床下部、大脳辺縁系といった脳内にダメ―ジが与えられているということ。

前頭葉や視床下部、大脳辺縁系は、意欲や気分といった心の状態を保つ働きをしています。

脳疾患

脳梗塞を発症した人は、数か月~2年以内に、うつ病を発症することが多いとのデータがあります。

他にも、脳出血や脳腫瘍といった疾患で、前頭葉にダメージが残った場合は注意が必要。

てんかんの発作前後や、パーキンソン病、認知症の初期症状として抑うつ症状が出ることもあります。

感染症

インフルエンザや風邪をひいた時、体内ではウイルスを退治するために、抵抗力を上げようとしますよね。

その時に、倦怠感や疲労感、食欲不振などを起こしてしまう物質が放出されるのですが、この物質は脳にも影響を与えてしまいます。

インフルエンザなどで倦怠感や食欲低下が起こっている時は、抑うつ症状が悪化しやすいので注意しましょう。

ホルモン・内分泌疾患

生理が始まる前に、頭痛やイライラなどの身体の不調や、気分が落ち込むようなうつ症状を感じる女性は多いと思います。

これは月経前症候群というもので、このとき、体の中ではホルモンバランスの乱れが起こっています。

ほかにも更年期や出産前後は要注意。

 

マタニティ・ブルーも、うつ病の一歩手前かもしれません。

また甲状腺機能亢進症による甲状腺ホルモンの減少や、副腎皮質機能低下症による副腎皮質ホルモンの減少も関係があると言われています。

 

生理前症候群(PMS)の症状をチェック!4つの改善策

 

薬の服用・依存症

うつ病を発症しやすいとされるのは、抗炎症作用をもつ「副腎皮質ステロイド剤」と、C型肝炎やがん治療で使う「インターフェロン製剤」という薬です。

また血圧を下げる薬や抗ヒスタミン薬、抗結核薬、経口避妊薬でもうつ病を発症するリスクが高くなると言われています。

アルコール依存症、そして覚せい剤依存症も、うつ病の要因です。

 

抑うつ症状を紛らわそうとお酒や薬に頼った結果、依存症になりうつ病になってしまっては悪いことだらけです。

お酒はほどほどにして、違法麻薬なんて絶対にダメですよ!

 

Sponsored Link

 

 

うつ病を治すには?

 

うつ病の治療において主軸となるのは「十分な休養」と「薬物治療」の2つ。

しかし、うつ病の治療法は一つではありません。

必要ならば精神療法を行ったり、漢方薬を併用するなど、自分に合った方法で治していくことが必要です。

ここでは科学的にも根拠があるとされている、うつを治す方法をご紹介します。

休養

まずは十分に、心も体も休ませることが大切です。

仕事や家事など、人に任せられることは任せて、ゆっくり休めるような環境を作ること。

それには周囲の理解も重要になってきます。

 

また、うつ病には適度な運動も効果的とされています。

晴れた日は日光を浴びながら、ウォーキングなどの有酸素運動を無理のない範囲で行えると良いですね。

 

薬物療法

うつ病は、脳の神経伝達物質(セロトニン・ノルアドレナリン・ドパミン)の異常によって起こります。

そのため、脳に作用する抗うつ薬の服用はとても有効。

主流となっているのは、SSRIやSNRIなどと呼ばれる、セロトニンやノルアドレナリンを増やしてくれる薬です。

 

ほかには症状に合わせて、抗不安薬や睡眠導入剤を補助として飲むこともあります。

うつ病の薬は、実にたくさんの種類があります。

副作用があった場合は他の薬に変更することもできるので、気軽に医師や薬剤師に相談しましょう。

 

Sponsored Link

 

精神療法も有効

悩みや不安を聞いてもらうカウンセリングは有名ですが、うつ病では「認知行動療法」という精神療法が有効とされています。

うつ病になると、何もかも否定的に捉えがちになり、自分を責めてしまいます。

考え方を少しずつ変え、自分には良いこともあるのだと再認識することができるように導くようにします。

認知行動療法は、今の自分を見つめ直すことで、プラス思考になるように手助けするものだと思ってください。

 

漢方薬やハーブを取り入れる

220023

抗うつ薬では副作用として、眠気や吐き気、口の渇きなどが挙げられます。

それらの症状を緩和するのに、漢方薬が効果を発揮してくれることがあります。

ただし漢方薬にも副作用はありますし、人によって合う合わないもあるので、使用したい際は必ず医師に相談してください。

 

またハーブでは、うつ病に効果があることで有名な「セント・ジョーンズ・ワート」があります。

セント・ジョーンズ・ワートは古くから西洋で使われていたハーブで、科学的にもうつに対する効果が認められています。

 

セイヨウオトギリソウとも呼ばれ、ドラッグストアなどでサプリメントとして見かけるようにもなりました。

ただし安いサプリメントでは質の悪いものもあるため、購入する際は注意が必要です。

また現在、薬を飲んでいるという人は飲み合わせが悪いこともあるので、医師や薬剤師に必ず相談してください。

 

Sponsored Link

 

うつ病に良い食事

106136

うつ病の治療を助けるとされているのが、オメガ3脂肪酸。

これは青魚の脂に多く含まれており、DHAやEPAとも呼ばれています。

また炭水化物やアミノ酸は、脳の伝達物質であるセロトニンの材料となるので大切です。

 

アミノ酸はたんぱく質が分解されたものなので、肉や卵、乳製品や豆類を取ると良いでしょう。

これらのものを効率よく摂れるのが、和食です。

うつ病になると食欲がなくなって、食事を楽しめなくなるケースも多くあります。

洋食でも、それらの食材を取ることは可能なので、まずは自分が好きな料理を楽しんで食べられるようになりたいですね。

 

女性はビタミンB6

うつ病の原因の一つである、月経前症候群に効果があるのが、ビタミンB6です。

ビタミンB6は水溶性のビタミンで、尿に溶けて排出されてしまう性質をもっているため、意識して摂りたい栄養素の一つ。

ビタミンB6は月経前症候群の緩和のほかにも、美肌効果があるとして有名です。

ビタミンB6を多く含む食材は以下の通り。

  • にんにく
  • レバー
  • 豚肉
  • 魚(マグロ、カツオ、イワシなど)
  • 酒粕

 

 

さいごに

うつ病になると、今まで出来ていた生活ができなくなることで焦ってしまい、自分を責めてしまいます。

原因となった病気やストレスを理解して、焦らずに治療に専念しましょう。

家族や友人といった周りの理解と協力もとても大切です。

自分だけでなく、大切な人がうつ病になった時のことも想定して、いざという時は支えてあげてくださいね。

 

 

うつ病は甘えではない!違いや見分け方

情緒不安定性の境界性パーソナリティ(人格)障害って?チェックしてみよう

自律神経失調症の症状を無料チェック!改善する方法

 

参考:厚生労働省 「みんなのメンタルヘルス」

 

Sponsored Link