私たちが動いたり、頭を使ったりするときに必要となるエネルギー。

そのエネルギー源として重要な役割をするのが三代栄養素の一つでもある「糖質」。

そして、今回キーワードとなる「グリコーゲン」も糖質です。

私たちの体の中でグリコーゲンはどんな重要な働きをしているのでしょう。

分かりやすく解説していきたいと思います。

 

 

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グリコーゲンって何なの?

グリコーゲンとは、一言で言ってしまえば糖質です。

糖質は大きく分けると単糖類、少糖類、多糖類の3種類がありますが、グリコーゲンはその中の多糖類に分類されます。

3種類の違いは化学構造によるものですが、多糖類であるグリコーゲンはブドウ糖が複数つながったもので、構造も複雑になっています。

糖類というとお砂糖のような甘さをイメージするかもしれませんが、グリコーゲンに関しては、砂糖のような甘味はないと考えて大丈夫でしょう。

別名は「動物デンプン」!

グリコーゲンは別名「動物デンプン」と呼ばれています。

というのも、グリコーゲンは動物やヒトの体内に貯蔵されている糖質だから。貯蔵場所は肝臓と筋肉になります。

ヒトの場合、一般的に肝臓には100~150gほど、筋肉には100~400gほどのグリコーゲンが蓄えられていると言われています。それプラス、血中に15~20gほど。

体内で蓄えられている糖質は、ほとんどがグリコーゲンであるとも言われています。

 

体内での役割

肝臓にあるグリコーゲンは、いざという時のための蓄えです。

体内でエネルギー源が不足してしまったときに、肝臓にあるグリコーゲンをブドウ糖に変換して使います。

筋肉にあるグリコーゲンは、筋肉を動かすための動力です。

主に筋肉が収縮する際のエネルギー源として使われ、不足すると筋肉も上手く動かせなくなってしまいます。

 

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糖質の役割

ポイント

 

では、体内での糖質、グリコーゲンの役割についてもう少し詳しく見ていきましょう。

炭水化物との違い

糖質制限ダイエットというと、甘いものはもちろんのこと、ごはんやパンなどの炭水化物も制限しますよね。

ごはんやパンは糖質でもあり、炭水化物でもああります。

糖質とは単糖類や少糖類、そして多糖類を合わせたものですが、炭水化物は糖質+食物繊維なのです。

 

大きな括りが炭水化物、その中にあるのが糖質と食物繊維ということ。

なので、食品の成分表示を見たときに、「炭水化物:○g」と書かれていたら、糖質と食物繊維が○g入っているということ。

もし「糖質:○g」と書かれていたら、そこに食物繊維は含まれていないということです。

 

糖質の代謝

糖質の主な役割は、私たちの体のエネルギー源となることです。

食べ物から糖質、もしくは炭水化物を摂取した場合、どのようにしてエネルギー源となっていくのでしょう。

食べ物から摂取すると、消化管で消化・吸収され、ブドウ糖へと分解されます。

最も細かい単糖類であるブドウ糖に分解され、血液に乗って全身へと運ばれることで、私たちの体のエネルギー源となるのです。

糖質とともに三大栄養素と言われる「脂肪」や「たんぱく質」も体のエネルギー源とはなるのですが、糖質は吸収や分解が早く、即効性があることが特徴です。

 

ビタミンB1とセットで

糖質は1gで4kcalのエネルギーを生み出しますが、その際になくてはならないのがビタミンB1です。

ビタミンB1がないと、糖質もエネルギーとして上手く働くことができなくなってしまいます。

糖質はしっかり摂っているはずなのに、なんだか力が出ない、やる気が起きない。そんなときは、ビタミンB1が不足していることが考えられます。

 

ビタミンB1は豚肉、レバー、うなぎのかば焼き、玄米、小麦胚芽などに多く含まれています。

玄米なら立派な炭水化物ですし、糖質とビタミンB1を一緒に摂れて、一石二鳥な感じがしますね。

 

グリコーゲンは貯蔵用

食べ物から摂取した糖質を、必ずしも全部エネルギーとして使うわけではないですよね。

エネルギーとして使われなかった分は、グリコーゲンという多糖類の形で肝臓や筋肉に蓄えられます。

ただし、貯蔵できるグリコーゲンの量にも限界があります。

貯蔵できる量を超えて糖質を過剰に摂ってしまうと、今度は脂肪という形で蓄えらえてしまうのです。

甘いものを食べすぎると太るというのは、こういうこと。

不足してもエネルギー不足となりますが、摂りすぎると肥満や生活習慣病になってしまうのが糖質なのです。

 

何を食べればいいの?

「グリコーゲン」として摂取するなら、

  •  ウニ
  •  牡蠣
  •  ホタテ
  •  肝や筋肉の部位

といった食品を食べると良いでしょう。

ですが、普通に糖質を摂れば、エネルギーとして使われなかった分がグリコーゲンに変換されるので、あまり意識しなくても良いと思います。

 

糖質は、

  •  米(白米や玄米など)
  •  パン
  •  麺類
  •  イモ類(サツマイモやジャガイモなど)
  •  バナナ
  •  小豆

などに多いです。

 

果物だったり甘いお菓子だったりも糖質ですが、果物の果糖は太りやすく、砂糖は虫歯の原因となるため、これらの摂りすぎには注意しましょう。

また、きちんとエネルギーとして使われるように、ビタミンB1を摂ることも忘れないようにしてくださいね。

 

 

グリコーゲンが不足すると?

はてな

 

グリコーゲンとして体が貯蔵できる量を超えて糖質を摂ってしまうと、脂肪となり太ってしまいます。

“糖質制限ダイエット”の着目点はそこで、甘いものだけでなく、糖質を含む炭水化物(ごはんやパン、イモ類など)の食べる量を減らし、ダイエットにつなげようというのが目的です。

ですが、糖質は大事なエネルギー源でもあります。

糖質制限ダイエットで糖質の蓄えが少なくなっていること、それに運動などでエネルギーを消費すると、体内のグリコーゲンが枯渇して、それはそれで問題が起きてしまいます。

エネルギー不足

糖質は動いたり、頭を使ったり、もしくは寝ているときにも、私たちの体のエネルギー源となっています。

肝臓に蓄えているグリコーゲンが不足すると、血中のブドウ糖がなくなったときに補えず、力を出せなくなったり、低血糖にもなってしまいます。

グリコーゲンには血糖値を調整する働きもあるため、不足すれば、めまいや震えなどの低血糖の症状も現れます。

また、筋肉に蓄えているグリコーゲンは筋肉の収縮に大きく関わっているため、不足すると、特にスポーツをしている人では十分なパフォーマンスができなくなってしまいます。

 

脳のエネルギー不足

朝ごはんを食べずに学校や仕事に行くと、午前中いっぱい頭がボーっとしてしまいますよね。

脳の主なエネルギー源はブドウ糖で、それが足りなくなると、脂肪からケトン体を生成してまかなおうとします。

そのため、ブドウ糖は脳にとって大事なエネルギー源。

不足すると、記憶力や集中力が低下したり、イライラの原因となってしまいます。

 

頭を使いすぎて脳が疲れたときは、チョコレート一片でも口に入れるようにしましょう。

また、睡眠中もブドウ糖は消費され続けています。

実は朝起きたときというのはブドウ糖がかなり消費されている状態なので、朝ごはんでしっかり糖質を摂取することが大切です。

ごはんやパンなどの主食、もしくは糖質の多いバナナなどの果物がいいですね。

 

グリコーゲンの枯渇

肝臓に蓄えられているグリコーゲンは通常100~150gほどですが、だいたい12~18時間の絶食で全て使われてしまうと言われています。意外と早いですね。

また、筋肉に蓄えられているグリコーゲンは、運動をするなどしてエネルギーを急激に消費したときに使われます。

通常、筋肉のグリコーゲンは100~400gほどあるとされていますが、マラソンなど持久力系のスポーツをしたあとには枯渇することも十分に考えられます。

グリコーゲンを使い切ってしまうと、今度はたんぱく質や脂肪を代わりに分解して、エネルギー源として使うようになります。

 

グリコーゲンローディング法

スポーツ選手、特にマラソンなど1時間半~2時間以上の長期戦になる競技を行うアスリートが取り入れているものに「グリコーゲンローディング法(カーボローディング法)」というものがあります。

これは簡単に言うと、「競技の前にグリコーゲンをしっかり蓄えておこう」というもの。

一度、筋肉のグリコーゲンを枯渇させると、そのあとに蓄えらえる量が増えるという原理で、試合の一週間ほど前から低糖質食+トレーニングなどを行い、そこから試合に向けて高糖質食へと切り替えていきます。

オリンピックに出る有名なマラソン選手も行った方法で、スポーツをする人は覚えておくと良いかもしれませんね。

 

グリコーゲンの病気

グリコーゲンの役割が体内できちっと行われない病気に「糖原病」というものがあります。

これは遺伝子の異常による先天的な病気で、必要なときにブドウ糖やエネルギーとして使われないため、グリコーゲンのまま肝臓や筋肉に異様に蓄積してしまうものです。

ちなみに「糖原」とはグリコーゲンのこと。

グリコーゲンが肝臓に溜まってしまうタイプ、筋肉に溜まってしまうタイプ、心筋に溜まってしまうタイプなど、糖原病のタイプは10種類ほどがあり、それぞれで症状も違ってきます。

 

肝臓に溜まるタイプだと、

  • 低血糖
  • 肝臓の腫れ(子供だとお腹が膨らんで見えることもある)
  • 低身長

など。

 

筋肉に溜まるタイプだと、

  •  運動による疲労
  •  筋力低下
  •  筋肉痛
  •  褐色尿

など。

 

心筋に溜まるタイプだと、

  •  心臓拡大
  •  心不全

などが症状として現れます。

治療は根本的なものがないため、食事や生活習慣などからアプローチしていきます。

専門医に診てもらう必要があるため、先天性代謝異常症を専門で診る医師を探します。

 

 

さいごに

グリコーゲンは、私たちの肝臓と筋肉に蓄えられている糖質で、ブドウ糖が複数つながったもの。

糖質ですが、グリコーゲン自体に砂糖のような甘味はありません。

食事から糖質(または炭水化物)を摂ったとき、エネルギー源として使われなかった分が、グリコーゲンという形で肝臓や筋肉に蓄えらえる仕組みです。

肝グリコーゲンはエネルギー源の予備として備蓄されていて、筋グリコーゲンは運動するときの筋肉のエネルギー源として使われているために蓄えられているイメージですね。

どちらも不足すると十分なパフォーマンスができなくなりますし、絶食したり運動したりして使えば枯渇することも考えられます。

“糖質制限ダイエット”が必ずしも悪いわけではありませんが、糖質を全く摂らないのも良くないのだと覚えておいてくださいね。

 

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