手がしびれる、うまくものが持てない、力が入らない・・・

「しびれる」という症状は痛み以上に曖昧で、自分では原因が特定できない分、余計に心配になりますよね。

しびれに関する病気は範囲が広いので、何科を受診すればいいのか悩んでしまいます。

ここでは整形外科、脳神経外科、神経内科を考えてみますが、中には判断が難しいこともあると思います。

そのような場合は、総合診療科に行くことおすすめします。

 

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整形外科

病院

 

手がしびれた時に、身近にあって受診しやすいのが整形外科です。

手根管症候群

手根管症候群は、手のひらの中の神経が圧迫されることでしびれが起きる病気です。

手の中に通っている神経は、手首にある手根管という管を通っていますが、手根管が狭くなることで神経を圧迫する病気です。

症状としては上記2つの病気と似ていますが、小指だけしびないというのが一番の特徴。

 

原因が分からないことが多いですが、特に中年以降の女性に多く、妊娠や出産を機に症状が出る方もいます。

レントゲンなどでは診断することが難しいため、頚椎系の病気に比べて発見されにくいようです。

他にもニューロパチー(末梢神経障害)やパーキンソン病、他にも糖尿病などの他の病気と合併症が出る場合もあります。

 

肘部管症候群

指の筋肉を動かしている尺骨神経が、肘の内側にある肘部管という場所で圧迫され、神経麻痺が起こる病気です。

変形性肘関節症などが原因になることもあり、初期には小指側にしびれる症状が出ます。

他には、薬指の小指側がしびれたり、手指の筋肉が衰えてきたり、小指と薬指が真っ直ぐに伸びなくなったりします。

特に手や指の筋肉低下があった場合は、すぐに受診しましょう。

治療は初期だと消炎剤やビタミンBなどの保存療法になりますが、効果がない場合は手術となります。

 

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胸郭出口症候群

鎖骨周辺にある神経や血管が圧迫されてしまい、その先にある肩や腕にしびれや痛みといった症状が現れるものを胸郭出口症候群と言います。

なで肩で鎖骨周辺の筋肉が下に引っ張られていたり、姿勢が悪くて筋肉が緊張していたりと、筋肉にストレスがかかった状態が続くことが原因とされます。

もしくは、スポーツや格闘技をしていて肩回りの筋肉を鍛えている人でも見られます。

神経が圧迫されていると痛みやしびれといった症状が現れ、血管が圧迫されていると腕の血行不良が起こります。

胸郭出口症候群は総称なので、人によって症状には違いがあります。

 

  •  腕や手指にしびれ(腕を上げるような動作で)
  •  肩~腕、肩甲骨などに痛み
  •  腕のだるさ
  •  握力低下
  •  熱感や冷感
  •  動脈が圧迫されると腕が青白くなる
  •  静脈が圧迫されると腕が青紫っぽくなる

 

なで肩の女性や、重いものを持ちあげるような仕事をする人に多く、肩こりで病院を受診して胸郭出口症候群と診断されることもあるようです。

病院では薬を処方されることもありますが、姿勢を改善したり、筋肉の疲れを取ったりと自分で予防していくことも大切です。

 

頚椎椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアの患者数は約100万人と言われていて、現代人には身近な病気です。

ヘルニアと聞くと、腰の病気のイメージがありますが、首もヘルニアになります。

椎間板ヘルニアとは?

椎間板とはいわゆる背骨の一部で、椎骨という小さな骨がたくさん繋がって脊柱(=背骨)が出来上がっています。

椎骨の間につなぎとして、クッションのように挟まっているのが椎間板です。

椎間板はゼラチンのような髄核という中心部を線維輪というコラーゲンの層が覆っており、椎骨にかかる衝撃を吸収しています。

 

椎間板ヘルニアは、椎間板が椎骨の間から飛び出してしまい、脊柱の横を通っている神経を圧迫してしまう状態のことです。

患部が痛いことも症状の一つですが、神経を圧迫することで、手足の先がしびれたり痛んだりするのも特徴的な症状となります。

頚椎椎間板ヘルニアになると、手や腕に通っている神経が椎間板によって圧迫されるので以下のような症状が出ます。

 

  • 手がしびれる
  • 突然痛む
  • うまくものが掴めない

 

片手の親指の付け根や、二の腕の内側部分がしびれることが多いようです。

頚椎椎間板ヘルニアを患うと手が痺れて力が入らず、食器なども持てなくなることがあります。

 

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変形脊椎症

 

変形脊椎症は加齢によって背骨が変形し、神経を圧迫することで手がしびれる病気です。

特定の姿勢でしびれることが多く、圧迫がなくなるようにすると和らぐのが特徴です。

朝、寝起きに手がしびれることが多いですが、枕の高さを変えることで症状が楽になることもあります。

これは首の骨が変形し、神経を圧迫しているからです。

 

背骨や首の骨の変形は老化によるものなので、完全に治すことはできません。

対処法としては、痛みやしびれを感じ始めたら安静にし、物足りないくらいの運動量から始めて徐々に活動範囲を広げていきましょう。

痛むときは冷やさず、入浴などで温めてください。

また湿布薬は冷湿布ではなく、痛み止めが入っている「消炎鎮痛剤外用薬」を利用すると良いでしょう。

 

ストレートネック

ストレートネックの原因は、姿勢の悪さや生活習慣にあります。

本来首の骨は若干湾曲していますが、首の骨がまっすぐになってしまい、神経や筋肉を圧迫してしまうのがこの病気です。

パソコンやスマホを使う機会が増えている今、現代病の1つになってきています。

腕のしびれの他に、肩や首が凝る、腕をあげると血色が悪くなるため手のひらが白くなる、などの症状が出ることもあるようです。

 

整形外科の診断と治療法

これらの症状に心当たりがある場合は整形外科に行くことをおすすめしますが、できればMRIの設備がある病院に行きましょう。

角度の問題でレントゲンでは写りづらいこともあり、一度で発見できずに「MRIのある病院に行ってください」と言われることも多いからです。

また頚椎椎間板ヘルニアなどは手術をすすめられることもありますが、保存療法(一定期間安静にすること)で治る場合もあります。

整形外科を選ぶ際は、しびれに関する知識が豊富な整形外科医を選ぶことも大切になってきます。

専門的な治療を希望する場合は、日本整形外科学会の「認定脊椎脊髄病医」や、末梢神経のしびれや麻痺に強い「手外科」の専門医に診てもらうと良いでしょう。

 

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内科

血管 全身

過換気症候群

極度のストレスや不安、緊張などで過呼吸になると、息苦しさ、動機、頻脈、めまいなど様々な症状が現れます。

これは呼吸が早くなることで血液中の二酸化炭素濃度が下がってしまい、体がアルカリ性に傾くため。

過換気症候群では、息苦しさなどのほかに「テタニー症状」という特徴的な症状もあります。

テタニー症状では、手足や口のしびれ、筋肉のけいれんなどが見られ、「トルソー徴候」と「クボステック徴候」という2つの徴候を使って判断することができます。

 

  • トルソー徴候:血圧計で腕を圧迫したときに手をすぼめたような形になる、通称“助産師の手”が見られる
  • クボステック徴候:耳の前や顎関節のあたりを軽く叩いたときに、顔面神経が刺激されて上唇がつりあがる

 

過換気症候群は、通常30~60分ほどで軽快しますが、不安が強いと長引くこともあります。

病院は内科でも良いですが、原因にストレスなどがあるなら心療内科でも良いでしょう。

ペーパーバック法

過呼吸になったとき、口に紙袋を当てる「ペーパーバック法」という応急処置が有名です。

しかし口を完全に覆ってしまうと、酸欠になったり、体内の二酸化炭素濃度が上がりすぎたりしてしまうことがあるため注意が必要です。

息を止めたり、呼吸を遅くしたりするだけでも症状はよくなります。

ペーパーバック法を行うときは、口と紙袋との間に少し隙間を開けるようにして下さい。

 

巨赤芽球性貧血(悪性貧血)

鉄分の不足による鉄欠乏性貧血とは違い、悪性貧血ではビタミンB12や葉酸の不足が原因となります。

ビタミンB12や葉酸が不足するとDNAの合成が上手くできなくなり、“赤血球のもと”が巨大化してしまいます。

巨大化した赤血球のもとは壊れやすく、赤血球がきちんと作られなくなるため、貧血となってしまうのです。

 

貧血症状として

  •  動悸
  •  息切れ
  •  だるさ
  •  疲れやすさ
  •  頭重感
  •  顔面蒼白

などがあり、ビタミンB12が不足することで

  •  手足のしびれ
  •  歩行障害

といった神経の症状も現れます。

 

また、葉酸が不足することで、

  •  下痢
  •  舌炎
  •  味覚障害
  •  舌の表面がツルツルになる
  •  若い人の白髪

 

などの症状が見られることもあります。

妊娠初期に巨赤芽球性貧血になると、胎児にも影響が出てしまうため、妊婦さんはビタミンB12や葉酸不足に気を付けなくてはいけません。

基本的には食事で栄養をきちんと摂ることが大切ですが、胃や小腸の摘出手術を受けたためにビタミンB12や葉酸の吸収ができなくなっているようなら、注射での処置を行うこともあります。

 

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多発性硬化症

多発性硬化症は難病指定されている疾患です。

神経の線を覆っている「髄鞘」というトンネルのようなものが壊れ、神経が剥き出しになってしまうもので、脳や脊髄といった大事な神経(中枢神経)で起こります。

20~30代の女性に多く見られ、中枢神経のあちこちで繰り返し発症する厄介な疾患です。

 

症状は、神経のどの部分で障害が起こるかにより、

  •  しびれ
  •  痛み
  •  感覚の低下
  •  飲み込みづらさ
  •  しゃべりにくさ
  •  歩きにくさ
  •  脱力
  •  視力低下、ものが二重に見える
  •  排尿障害、排便障害

などがあります。

急性期には大量のステロイドを投与するなど、治療には専門性が必要になります。

 

ギランバレー症候群

ギランバレー症候群も難病指定されている疾患です。

脳や脊髄といった重要な神経を「中枢神経」と言い、そこから枝分かれして全身に張り巡らされている神経を「末梢神経」と言いますが、ギランバレー症候群は末梢神経の障害になります。

ギランバレー症候群における末梢神経障害(ニューロパチー)では、痛みやしびれといった感覚障害や、筋肉がうまく動かせないといった運動障害が起こります。

原因の一つとして感染症が挙げられ、患者の2/3は初期に風邪や胃腸症状を経験しています。

 

その後、足や腕に力が入らなくなったり、顔や目、口などの筋肉の運動障害(呂律が回らない、飲み込みづらいなど)が起こります。

痛みやしびれの感覚障害があることもありますが、筋肉の運動障害のほうが特徴のようです。

専門的な治療が必要で、症状をリハビリで和らげるといった処置も必要になってきます。

 

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循環器科

心臓

 

動脈硬化は生活習慣病の一つですが、血流が悪くなって心臓に十分な血液が送られなくなると、心臓を動かしている心筋に障害が出てしまいます。

その際に、左腕や左手にしびれや痛みの症状が現れるケースもあります。

狭心症や心筋梗塞

心臓に十分な血液が届かなくなるのが虚血性心疾患で、狭心症や心筋梗塞がこれに当たります。

狭心症は、動脈硬化や冠動脈の痙攣などが原因で、血管が狭くなってしまうことで発症します。

心臓において血液と酸素が不足してしまうため、突然の強い胸痛に襲われます。

ストレスによって誘発されることでも有名ですね。

 

心筋梗塞は、心臓へと続く血管が詰まって細胞が死んでしまうものです。

狭心症が悪化して心筋梗塞へと発展してしまうこともあり、激しい胸痛が起こり、命に関わるため速やかな治療が必要になります。

虚血性心疾患では「胸痛」「動悸」「息切れ」といった症状に要注意ですが、左腕や手にしびれが現れることもあります。

特に中指、薬指、小指にずっとしびれが残るようなら、念のため検査を受けるようにすると安心ですね。

 

 

脳神経外科

脳

 

手のしびれで一番怖い病気が、脳の中枢神経に関わる病気です。

脳が原因の場合、整形外科の病気と違って姿勢を変えても症状に変化がないのが特徴です。

下を向いたりかがんだりした時にしびれが強くならないか、他の症状にも注目してみて下さい。

一過性脳虚血発作や脳梗塞

脳梗塞で一番影響が出やすいのが、よく使う手足の末端の神経です。

脳梗塞の前兆

脳梗塞の患者の1/4は、発症の数日前から数時間前に手のしびれなどの前兆を体験すると言われています。

 

  • 手足がしびれる
  • 突然手足に力が入らなくなる
  • 片方の目が見えにくくなる
  • めまいがおこる
  • 頭痛がする
  • ろれつが回らなくなる
  • 文字が書けなくなる
  • 人が話していることが理解できなくなる
  • 真っ直ぐに歩けなくなる

 

これらの症状は一過性脳虚血発作といって、本当の発作が起きる前に一時的に脳の血管が詰まることで起きます。

このような症状が出たら一刻も早く病院に行きましょう。

脳梗塞を発症してしまうと後遺症が残る可能性も高く、命に関わります。

一過性脳虚血発作の段階で症状に気付いて受診をしたことで、命が助かった方はたくさんいます。

 

脳腫瘍

頭蓋骨の中に腫瘍ができることもあります。

ガンが他のところから転移してくることもありますし、頭蓋骨の中で良性または悪性の腫瘍ができることもあります。

症状は、腫瘍がどこにできるのかによりますが、一つの特徴としては「早朝起床時に強い頭痛があり、午前中にだんだんと軽快していく」というものがあります。

ほかには、

  •  吐き気、嘔吐
  •  視力障害、ぼやけて見える、二重に見える
  •  聴力障害
  •  めまい
  •  失語
  •  しびれ、麻痺

 

などがあり、最悪の場合は意識障害を起こしてしまうこともあります。

しびれや麻痺といった障害の特徴としては、片側の手足に発生するということ。

“左の手と足に出る”といった症状が特徴で、“両手に出る”というようなケースは極めて少ないです。

腫瘍は手術での全摘出となりますが、がんの場合は放射線や抗がん剤を併用することもあります。

 

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神経内科

 

「神経内科」は、しびれに一番関わりが深い科になります。

神経内科は脳、脊髄、神経や筋肉など全身をみたうえで、他の科を紹介してくれます。

しびれの病気は多岐にわたり、専門の医師でないと判断できないことも多いので、通常の内科よりも神経内科のある病院を受診するというのも選択肢の一つです。

専門に診てもらえる病気としては以下のようなものがあり、上記の病気と診断されたにも関わらず長期間症状が改善しない場合は受診してみることをおすすめします。

TTR-FAP

「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」という、ちょっと覚えづらい名前の疾患ですが、ギランバレー症候群と同じ、末梢神経障害に当たります。

中枢神経から枝分かれして全身に張り巡らされている末梢神経に、アミロイドというたんぱく質の塊がくっついてしまい、神経の働きを阻害してしまいます。

末梢神経は運動、感覚、そして自律神経の働きを担っているため、現れる症状も様々です。

 

  •  足先や指先のしびれ、違和感
  •  足や手の温感が鈍る
  •  吐き気、嘔吐
  •  下痢と便秘を繰り返す
  •  めまい、立ち眩み
  •  ものが見えにくい
  •  動悸、不整脈
  •  排尿障害
  •  発汗障害
  •  脱力、しゃべりにくさ
  •  体重減少、疲れやすくなる

 

このような様々な症状がいくつか同時に現れることが多く、数年~数十年をかけて悪化していきます。

TTR-FAPで見られる症状は、ほかの疾患でも頻繁に見られるものなので判断は難しいですが、病院で全身の症状をきちんと伝えることが大切になってきます。

 

 

さいごに

何科に行けばいいのか分からない場合は、総合診療科を受診するという方法もあります。

手のしびれは病気のサインなので、本人が気づいていないだけで、さまざまな体の不調を感じていることも多いもの。

先ほど挙げた脳梗塞のように緊急性を感じるようなものでなくても、長く症状が続くようであれば早めに病院を受診するようにしましょう。

 

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