“足がつった”という経験は多くの人がしていると思います。

ですが、ふくらはぎに痛みがあるからといって、必ずしも“足がつった”とは限りませんよね。

ふくらはぎが痛いとき、最悪の場合は心臓と肺をつなぐ血管が詰まってしまう可能性もあるのです。

ふくらはぎの痛みにはどんな原因が考えられるのか、少しでも参考にしていただければ幸いです。

 

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ふくらはぎが痛くなる原因は?

はてな

 

まずは、ふくらはぎがどんな構造をしているのか、ざっと見ていきましょう。

下腿(膝~足首までの部分)には「脛骨」と「腓骨」という2本の骨があって、ふくらはぎは、この2本の骨より後ろの部分。

ここには2つの筋肉があって、内側(骨に近いほう)にある「ヒラメ筋」と外側の「腓腹筋」があります。

“ふくらはぎの筋肉”と言った場合、一般的には「腓腹筋」のことを示しています。

 

 

こむら返り

いわゆる“足がつる”ことをこむら返りと言いますが、ふくらはぎの筋肉である腓腹筋の「腓」は「こむら」とも読みます。

こむら返りは筋肉が突然、強く痙攣してしまってた状態のこと。筋肉が収縮したまま硬直してしまい、強い痛みが発生します。

運動中など、ふくらはぎの筋肉に過度の負担がかかったことが原因で、誰にでも起こる可能性があるものなので、特に心配はいりません。

対して睡眠中に足がつる場合は加齢によるところが多く、慢性化したり、そのまま肉離れを起こすなど重症化することもあります。

原因

こむら返りを起こす原因について、一つずつ、もう少し詳しく見ていきましょう。

電解質異常

神経の伝達にエラーが起きると、筋肉を正常に動かすことができなくなります。

その神経がきちんと働くためには、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルが重要になってきます。

運動して汗をかいた、ダイエットで栄養が偏っている、もしくは下痢や嘔吐などで軽い脱水状態になっていると、ミネラルが不足して足がつりやすくなるようです。

 

筋肉疲労

運動をしたり、立ち仕事が続いたり、もしくは寝ているときの姿勢が不自然になっていても、筋肉の疲れは溜まっていきます。

筋肉を使いすぎてもミネラルを消費しますし、疲れていると筋肉も痙攣もしやすくなります。

 

冷え

冷え性だと、血行不良を起こしやすくなります。

神経や筋肉を働かせるために必要な栄養は血液にのって流れてきますから、血行不良になると足がつりやすくなります。

 

加齢

年を重ねると、どうしても筋肉が衰えたり、軽い脱水や血行不良を起こしやすくなります。

これらの足をつりやすくなる状況が重なることで、睡眠中や、ウォーキングなどの軽い運動でも、筋肉が痙攣をおこしやすくなるのです。

 

寝ているときの姿勢

寝ているときに変な姿勢をしていると、ふくらはぎの筋肉が疲れてしまいます。

きれいに仰向けで寝ていると思っても、布団が重くて膝が押されている状態だと、ふくらはぎに負荷がかかっているかもしれません。

また、足だけ布団がかかっていない状態になっていると冷えてしまうので、こちらも合わせて注意してくださいね。

 

妊娠

妊婦さんは、特に妊娠後期(妊娠8か月以降)になると足をつりやすい傾向にあるようです。

冷えやすいということもありますし、どうしても骨盤が緩んでくるため、その下の足の筋肉にも負担がかかってしまうのです。

骨盤の緩み、もしくは歪みは、姿勢が悪かったり、長時間にわたって水泳をしていても起こるため気を付けたいですね。

 

病気

足をつりやすい病気というものもあります。

 

  • 動脈硬化
  • 糖尿病
  • 肝臓病
  • 腎臓病
  • 甲状腺の病気
  • 筋肉や神経の病気
  • 脳梗塞
  • 脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア

 

特に糖尿病の人は、高血糖が続くことで血行不良を起こしたり、ミネラルバランスが崩れるなどして、足をつりやすくなるようです。

また、利尿薬などの薬を飲んでいる人も、ミネラルが尿と一緒に排出されて不足しがちになるようです。

 

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対処法

足をつったときの応急処置から、日頃できる予防策まで見ていきましょう。

筋肉を伸ばす

まずは応急処置。

応急処置をしないと、痛みが長引いたり、そのまま肉離れを起こして重症化してしまうこともあります。

ふくらはぎの筋肉を伸ばすときは、足首と膝をまっすぐにした状態にして、足先を掴んでぐーっと体のほうへ引き寄せるイメージで行います。

1分ほどで痛みが解消されてくると思うので、そうしたら優しくマッサージしていきましょう。

このとき、筋肉はゆっくりと伸ばしていきます。痛いからといって急にやってしまうと、筋肉を傷めてしまうこともあるので注意です。

 

ストレッチ・マッサージ

日頃からストレッチやマッサージを習慣化させておけば、こむら返りの予防にもなります。

こむら返りはクセになりやすいので、できるだけ発生しないように予防することも大事。

ストレッチで手っ取り早いものは、アキレス腱を伸ばす運動ですね。

ただし足のストレッチだけでなく、血行改善のために全身のストレッチも行うようにしましょう。

 

マッサージは温めながら行うと筋肉がほぐれやすくなります。

ふくらはぎを足首から膝の方向へと、優しくマッサージしていきます。

また、ふくらはぎの筋力アップのため、スクワットを行うのも良いですね。

足は肩幅に開いて、前かがみにならないように、膝が90度になるまで腰を落とします。

 

寝ているときの対策

寝ている時は無意識なので、一見すると防ぎようがない気がします。

ですが、意外とちょっとしたことで予防に繋がったりするので、下記のことを意識してみましょう。

 

  • 寝る前に水分補給(コップ1杯分ほどの寝汗をかくため)
  • 膝の下に丸めたタオルを置く
  • 温かいけれど軽い布団を選ぶ
  • 疲れた日は足をマッサージしてから就寝

 

栄養

神経や筋肉を正常に働かせるためのミネラルは、野菜や果物、海藻などに豊富です。

毎日の食事は、できるだけバランスを考えたメニューにしたいですね。

特に、日本人が不足しがちなカルシウムは、神経や筋肉にとっても大事な栄養素です。

牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品、それに小魚なども意識して食べるようにしましょう。

 

漢方薬

頻繁に足をつるようなら、漢方薬を持っておいても良いかもしれません。

「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」は、こむら返りの解消に良いとされています。

気になる人は、医師に相談してみてはいかがでしょう。

 

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肉離れ

 

肉離れは、走ったりジャンプしたりと瞬発系のスポーツをしている人に多く、筋肉が負荷に耐え切れなかったときに起こります。

ランニングやジョギングなどのスポーツのほか、野球でデッドボールを足に受けたり、格闘技の蹴り技を受けたときの打撲でも発症することがあります。

肉離れとは、“筋膜”や“筋線維”といった筋組織が断裂してしまった状態のことすが、断裂といっても部分断裂から完全断裂まで重症度は様々です。

突然ふくらはぎに強い痛みが走り、内出血を起こすと患部がはれたり、足首や膝の関節に障害が出たりすることもあります。

重症だと、歩くことすら困難になることも。内出血は大きく広がってしまうこともあるため、いかに内出血を最小限にとどめるかがカギになってきます。

対処法

肉離れは、スポーツなどでかかる負荷に筋肉が負けてしまっている状態です。

原因として、筋力不足、筋肉の柔軟性が足りていないこと、筋肉疲労が溜まっていることなどが挙げられます。

まずはこれらを見直して予防しつつ、肉離れを起こしてしまったときのために対処法も覚えておきましょう。

応急処置「RICE」

肉離れが発生してしまったら、応急処置でできるだけ内出血を抑えること。これが、その後の回復にも大きく影響してきます。

応急処置として覚えておきたいのが「RICE(ライス)」と呼ばれる4つのポイント。

 

  • Rest:安静
  • Icing:冷却
  • Compression:圧迫
  • Elebation:拳上

 

「安静」にし、「冷却」は氷のうなどで患部を15~20分冷やしますが、必ず氷や水を使いましょう。

受傷から1~3日は、痛みが出たら冷やして、を繰り返します。

「圧迫」はテーピングや弾性包帯などを使いますが、緩すぎず、きつすぎず、加減が大事です。

「拳上」は、患部を心臓より高い位置に上げるようにします。

 

急性期を過ぎたら

肉離れは重症だと、治るまでに3か月以上かかることもあります。

早くスポーツに復帰したい気持ちも分かりますが、しっかり治るまではリハビリやストレッチなどで少しずつ調整していくこと。

特に、ダッシュやジャンプなどの瞬発力を使う行為はやめましょう。

 

ある程度、症状が落ち着いてきたら、関節の動きや筋力を回復させるためのリハビリを行っていきます。

整形外科では症状に合わせた理学療法があるので、医師の指示に従って治療を進めていきます。

肉離れは再発もしやすいので、いきなり運動を再開するのではなく、軽い運動から徐々に感覚を取り戻していくようにします。

 

カリウムの摂取

ミネラルは神経と筋肉の動きをサポートするために大切ですが、肉離れでは特にカリウムを意識したいところ。

筋肉をスムーズに収縮させるために必要なミネラルです。

野菜や果物、豆、芋、海藻類などから摂れますが、バナナにも豊富に含まれているので、スポーツの休憩時間に食べたりしても良いですね。

 

血流を良くする

内出血や炎症が治まってきたら、お風呂で温めたり、ストレッチをしたり、整形外科の電気療法などで血流を良くしていきます。

筋肉の回復を助け、同時に固まってしまった筋肉の柔軟性も取り戻します。

 

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坐骨神経痛

腰から足にかけての大きな神経である「坐骨神経」。

この神経が圧迫や刺激を受けると、神経の走っている部分(腰~お尻~足~足先)に、しびれや痛みなどの症状が発生します。

症状の感じ方は人によって様々で、鋭い痛みを感じる人もいれば、ヒリヒリ、チクチクといった感覚の人もいます。

違和感程度の人もいますし、だるさや重い感じ、こわばりが強い人もいます。

足に症状が出る場合は、片足だけがしびれることが多くなります。

原因

坐骨神経痛の多くは、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアといったものが背景にあります。

腰部脊柱管狭窄症

50代以上なら、腰部脊柱管狭窄症の可能性が高いです。

脊柱管とは背骨にある神経が通るトンネルのようなもので、狭くなると中を通っている坐骨神経が圧迫されてしまいます。

 

腰椎椎間板ヘルニア

若い人なら、腰椎椎間板ヘルニアが考えられます。

背骨はブロック状の骨で構成され、それぞれの骨の間にはクッションの役割をする椎間板というものがあります。

この椎間板の中に入っているゼリー状の物質が飛び出してしまい、神経を圧迫するのが腰椎椎間板ヘルニアです。

 

その他の原因

ほかにも、

 

  • 腰椎すべり症
  • 梨状筋症候群
  • 変形性腰椎症

 

などの疾患を抱えていても、坐骨神経が圧迫されてしまうことがあります。

さらに、

 

  • 外傷
  • 冷え性
  • 姿勢
  • 肥満

 

などが発症の要因となることもあります。

まずは、坐骨神経痛の原因となる疾患があれば、その治療が大切になってきます。

坐骨神経痛の症状に関しては、非ステロイド性消炎鎮痛剤などの薬や、神経ブロックなど痛み止めの注射、さらに理学療法などを使って緩和していきます。

 

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閉塞性動脈硬化症

 

いわゆる動脈硬化の一つですが、四肢に血流障害が現れるものを「閉塞性動脈硬化症」と呼んでいます。

50~60代以降の男性に多く見られる傾向にあります。四肢といっても、足に症状が出ることが多いようです。

 

  • しびれ、冷感
  • 歩くとふくらはぎに痛みがある
  • 休むと良くなる
  • 安静にしても痛むようになる

 

という特徴があり、血流不足により潰瘍が治りにくくなったり、壊死してしまうこともあります。

原因

動脈硬化は生活習慣病です。

糖尿病、高血圧、脂質異常症などがあると進行しやすいですが、ほかにも食の欧米化、喫煙、肥満なども深く関係しています。

コレステロールが血管壁に溜まって、血管が狭くなってしまうことが原因。

ただし足に動脈硬化の症状が出ている場合、閉塞性動脈硬化症だけでなく全身の動脈硬化症になっている可能性も十分にあります。

脳や心臓といった大事なパーツで血管が詰まってしまうことがないように、早めに治療を開始したいですね。

 

 

肺梗塞

右胸の痛みや違和感

脳梗塞や心筋梗塞などはよく聞きますが、肺と心臓とをつないでいる血管(肺動脈)が詰まってしまう疾患もあります。

肺動脈が詰まる「肺梗塞」は、9割以上が足の静脈で血栓が作られると言われています。

足でできた血栓が血流にのって、最終的に肺動脈で詰まってしまうのです。

まず足の静脈で血栓が詰まると、

  • 足が赤く腫れる
  • 痛み
  • むくみ

 

などの症状が出ます。そして、その血栓が肺へと流れてしまうと、

  • 急な胸痛
  • 息切れ
  • 呼吸困難
  • 失神
  • ショック症状

 

などが起こります。

なかなか足の段階では気づきにくいと言われていますが、足が腫れて痛いようなら、念のため病院で診てもらうと安心です。

原因

肺梗塞の多くは「深部静脈血栓症」という足の静脈に血栓ができることが原因で、症状は片足だけであることが多いです。

また「エコノミークラス症候群」も、肺梗塞の原因の一つです。

飛行機など、長時間にわたって同じ姿勢で座り続けていると、足の血流が悪くなって血栓ができ、それが血流にのって肺動脈に詰まってしまいます。

 

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何科を受診する?

病院

 

病院で診てもらう場合は、どの科が専門になるのでしょうか。

<こむら返り>・・・内科

足がつったからといって病院に行く人も少ないと思いますが、頻繁になるようなら漢方薬を処方してもらうのも良いでしょう。

また、なにか背景に病気(糖尿病など)が隠れている可能性もあるので、血液検査などで調べてもらうのなら、内科を受診するとスムーズだと思います。

 

<肉離れ>・・・整形外科

肉離れを起こしたら、まずは応急処置。そのあとは整形外科を受診すると良いでしょう。

スポーツに復帰するためにはリハビリが重要になってくるので、その方針も医師としっかり話し合うようにします。

 

<坐骨神経痛>・・・整形外科

坐骨神経痛の痛みやしびれを緩和するには、薬や注射、理学療法などが有効です。

原因となっている病気の治療をしつつ、自分の症状をしっかり医師に伝えて、適切な対処法をしてもらいましょう。

 

<閉塞性動脈硬化症>・・・循環器内科、心臓血管外科

治療は動脈硬化に対するものとなります。薬のほか、日常生活の改善や、適度に歩く運動療法も大切になってきます。

 

<肺梗塞>・・・内科、心臓外科

なかなか症状が足に出ている段階で気づくことは難しいですが、運よく見つけられれば肺梗塞を起こす前に治療が可能です。

もし胸痛や呼吸困難など肺梗塞の症状が出た場合には、命にも関わりますのですぐ病院を受診しましょう。

 

 

さいごに

ふくらはぎの腓腹筋は、歩いたり走ったりするためにも重要ですし、足先まで流れてきた血液を心臓へ送り返すためにも重要です。

ふくらはぎの痛みの原因はいろいろありますが、共通して言えることは、適度に鍛えておくことではないでしょうか。

ふくらはぎの筋肉を鍛えつつ、疲れたらストレッチやマッサージなどをしてケアしてあげる。

ですが、心配な痛みがあれば早めに病院で診てもらいたいですね。

 

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