寝ようとして、いざ布団の中に入ったら、足に虫が這うような感覚が・・・

足のムズムズ感が気になって、じっとしていられないという人は、ムズムズ脚症候群という病気かもしれません。

足がムズムズしてしまうと睡眠不足になってしまい、翌朝起きるのが辛くなってしまうこともあります。

ムズムズ脚症候群とはどのような病気なのか、原因とともに見ていきましょう。

 

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ムズムズ脚症候群とは?

 

正式な病名は「下肢静止不能症候群」。

足にムズムズとした不快な感覚があり、じっとしていられなくなる神経疾患です。

その独特の症状から「ムズムズ脚症候群」、英語では「Restless legs 症候群(RLS)」とも呼ばれます。

虫が這うような感覚って?

その病名から、足がムズムズするというイメージが先行しがちですが、不快感は人それぞれ。

虫が這うようなムズムズする感覚以外にも、うずく、火照る、冷える、痛い、かゆいなどの不快感だという人もいます。

また、ムズムズ脚症候群の人の多くに「周期性四肢運動(PLM)」が見られるのも特徴。

 

これは睡眠中に足がピクピクと動いて、じっとしていられないというもの。

眠っている間なので、自覚がない人もいます。

ぐっすり眠れないため朝に起きるのがつらくなり、集中力の低下や疲労、抑うつ状態や気分が落ち込んでしまう人は2倍にもなります。

また心疾患になるリスクも上がるため、早めの治療が大切です。

診断基準

ムズムズ脚症候群と診断されるのには、以下の4つの診断基準をすべて満たす必要があります。

 

  • 足の不快感があり、足を動かしたいという強い欲求がある。
  • 安静時(座ったり横になったり)に発症、もしくは悪化する。
  • 運動(歩いたりストレッチなど)をすると改善、もしくは軽減される。
  • 日中よりも夕方~夜間に発症、もしくは悪化する。

 

診察では、まず問診を行い、必要に応じて血液検査や睡眠ポリグラフ検査を行います。

血液検査は、背景に病気が潜んでいないかどうかを調べるため。

睡眠ポリグラフ検査は、睡眠中の様子を見ることで、周期性四肢運動などの有無を確認します。

 

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どんな人に起こりやすいの?

欧米では発症率は10%ほどで、日本では2~5%ほどと言われています。

欧米と比べると確率は低く見えますが、それでも20~50人に1人は発症する可能性があると思うと、身近な病気でもありますね。

女性に多く見られ、発症率で見ると男性の2倍となっています。

特に妊娠期によく見られるため、ホルモンバランスの影響などもあるのではないかと言われています。

年齢に関しては、高齢者は比較的少ないですが、あらゆる世代に起こる可能性があると言えます。

 

 

ムズムズ脚になる原因

おばさん

 

ムズムズ脚症候群は一次性と二次性のものがありますが、ほとんどが原因不明。

一次性RLS症候群(特発性RLS症候群)は原因不明のもの、遺伝性や鉄分不足なども含まれます。

一方で、病気や薬剤が関係していると、二次性RLS症候群と呼ばれます。

ここでは、二次性RLS症候群の原因を中心に見ていきたいと思います。

ドーパミンによる機能障害

これは今回の中で唯一、一次性RLS症候群に分類される原因です。

ドーパミンとは、脳の神経伝達物質で、外部から受けた刺激や脳からの指令を全身に伝える役割を持っています。

ドーパミンというと、やる気などのプラス思考の感情を伝える役割が有名。

ほかにも、不要な刺激を遮断するという役割も持っています。

 

つまりドーパミンが機能異常を起こすと、不要な刺激までも感覚として伝えてしまうため、足のムズムズ感が出てしまうのです。

このドーパミンが機能異常を起こしてしまう原因は、鉄分不足。

鉄分は、神経伝達物質を作る役割と、さらにドーパミンの脳内での受け渡しをサポートする役割も担っています。

ドーパミンが上手く働くためには必要不可欠な栄養素なのです。

ムズムズ脚症候群が女性に多く見られるのは、女性が生理や妊娠などで鉄分不足になりやすいからという理由もあるのかもしれませんね。

 

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鉄欠乏貧血(フェリチン不足)

ムズムズ脚症候群で大きな原因となる鉄分不足。

鉄欠乏性貧血はまさに鉄分の不足でおこる貧血ですが、不足する要因は様々。

外傷や内臓からの出血によって、鉄分をたくさん消費してしまう人もいれば、偏食やダイエットで鉄分を摂れていない人もいますね。

鉄分は、赤血球に含まれるヘモグロビンを作ります。

 

全身に酸素を運ぶ役割を持つヘモグロビンが作られなくなることで、めまいや動悸、息切れなどの貧血症状が出るという仕組みです。

この鉄欠乏性貧血で注意したいのは、フェリチンという、鉄分を溜め込むことのできるたんぱく質が減少してしまうこと。

溜め込む鉄分がないと判断すると、体内のフェリチンは消えていってしまいます。

その結果、鉄分を体内に溜め込むことが出来なくなり、慢性的な鉄分不足となってしまうのです。

 

腎不全

尿を作ることで、体内の老廃物を排出している腎臓。

慢性腎不全になり人工透析をしている患者の3人に1人は、ムズムズ脚症候群だと言われています。

 

腎機能が低下してしまうと、老廃物が排出されずに体内にまわってしまう尿毒症となり、神経障害を起こしてしまいます。

また鉄分不足に陥りやすいのも特徴です。

腎不全の人はイライラしやすいとも言われていますが、ムズムズ脚症候群が悪化したために起こっている可能性があります。

 

糖尿病

糖尿病は、高血糖が続くことで、様々な合併症を起こしやすくなってしまいます。

その中でも「糖尿病性抹消神経障害」「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」は三大合併症とも呼ばれます。

糖尿病性末梢神経障害は、3つの合併症の中でも、真っ先に現れやすくなっています。

 

また、糖尿病性腎症によって、尿毒症になったり、人工透析が必要になってしまう場合も。

糖尿病と診断された人は、悪化しないよう治療を進めるほか、食生活や運動などの生活習慣の改善も大切になってきます。

 

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薬剤によるもの

ムズムズ脚の原因となる薬はいくつかあります。

抗精神病薬や抗パーキンソン病薬

主に統合失調症の治療に使われる抗精神病薬。

統合失調症は、ドーパミンが過剰に放出されることが原因との説が有力。

そのため治療には、ドーパミンを遮断するような薬を服用します。

 

抗精神病薬によってドーパミンが遮断されてしまうため、足のムズムズ感の原因となるドーパミンの機能障害が起きるという仕組みです。

ほかにも三環系抗うつ薬やSSRIと呼ばれる抗うつ薬、抗パーキンソン病薬なども、神経伝達物質に作用する薬のため、ムズムズ脚症候群を引き起こす原因となってしまうこともあります。

 

抗ヒスタミン薬

抗ヒスタミン薬も、かゆみの成分であるヒスタミンが脳に伝わるのを抑えるものなので、ムズムズ脚症候群の引き金となります。

風邪薬や鼻炎薬、かゆみ止めなどで使われることも多く、市販薬でも強力なものが出ていますね。

花粉症やアトピーでよく使っているという人は注意しておいたほうが良いでしょう。

 

末梢神経の機能異常

皮膚科のあるクリニックでは、ムズムズ脚は足の血液循環が悪いことと、神経過敏が原因だとしています。

ムズムズ脚は横になると症状が出て、立っているときは何もないというのが特徴です。

しかし実際は日中長時間歩いたり、デスクワークで足を動かさずにいた後、家に帰って靴を脱いでリラックスしたり、就寝前などにムズムズ感じることが多いようです。

血管壁が緊張して神経刺激が自律神経を通して脳に伝わると推測し、末梢神経の過敏を抑えるためビタミンEやビタミンB12のメチコバールを処方してみると良好な結果が得られたということです。(*1)

 

似たような病気に注意!

ムズムズ脚症候群と似た症状が出るものに、アカシジアという病気があります。

アカシジアの主な症状も足のムズムズ感で、原因も抗精神病薬などの副作用によるものと、2つはよく似ていますね。

ムズムズ脚症候群との違いは、症状が出るのが夜間に限らないことや、運動しても改善しないこと、強い焦燥感や不安感が出るといったこと。

ただし自己判断は危険なので、抗精神病薬などを服用していて足のムズムズ感がある場合には、医師の診断に任せましょう。

 

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どんな治療をする?

喉のイガイガ 市販薬

 

重症ならば薬物治療なども行いますが、基本は生活習慣の改善です。

ムズムズ脚症候群を悪化させる原因として、カフェイン、ニコチン、アルコールが挙げられます。

そのため、コーヒーやお茶の飲みすぎに注意したり、たばこやお酒は控えるようにしましょう。

食事などで、鉄分が不足しないように気を付けることも大切です。

 

また足の不快感から、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が悪くなってしまうことも心配されます。

酷くなると睡眠障害にもなってしまうので、よく眠れるような環境づくりもしていきましょう。

お風呂に入ったり、マッサージやストレッチなどをして、リラックスすることが重要です。

 

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【参考】
杉田泰之 「むずむず脚症候群 異説・もう一つの治療法-改訂版-」

 

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