トイレが近くなったり、おしっこの勢いがなくなるなど、ちょっとデリケートな男性特有の前立腺肥大症。

年と共に患者数が増加していくもので、早い人なら30代頃から、50代では5人に1人が患っているともいわれています。

ノコギリヤシのサプリメントは多くありますが、前立腺から抜け毛、ニキビまで効果があると謳っているものがあります。

実際に効果はあるのか、医学的根拠に基づいて見てみましょう。

 

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前立腺肥大症とは

水

 

前立腺は、男性だけが持つ器官。

クルミほどの大きさで、膀胱のすぐ下、尿道を包み込むようにして付いています。

実は前立腺の存在理由については解明されていないことが多いのですが、生殖機能や排尿を助ける働きをしていると言われています。

前立腺肥大症の症状

前立腺肥大症は、前立腺が大きくなる病気ですが、良性のものなので、すぐに命に関わるようなことはありません。

前立腺肥大症の症状は大きく分けて、「前立腺の肥大」と「排尿障害」の2つ。

前立腺が大きく膨らむと、近くにある膀胱や尿道が圧迫されて、尿の通り道が狭くなってしまいます。

一般的にはクルミほどの大きさの前立腺ですが、リンゴほどの大きさにまでなることもあるそう。

また、排尿障害で見られる症状には以下のようなものがあります。

 

  • トイレに行ってもなかなか出ない
  • 尿の勢いが弱い
  • 尿線が2つに分かれる
  • 力まないと尿が出ない
  • 頻尿
  • 我慢できないほどの尿意で、失禁してしまうこともある
  • 残尿感

 

また前立腺肥大症で頻尿がある人の、50~70%で過活動膀胱も見られるそう。

昼間に8回以上、夜間に2回以上トイレに行くようなら、頻尿の可能性があります。

 

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前立腺肥大症になる原因は?

 

前立腺肥大症になる原因は、まだ解明されていない部分が多くあります。

加齢とともに男性ホルモンが減少して、女性ホルモンとのバランスが崩れることが影響しているとの説が有力なようです。

また前立腺に刺激が加わることも肥大の原因の一つのようで、身体を冷やしたり、長時間の座りっぱなしなどは良くないと言われています。

お酒の飲みすぎや食生活の乱れなど、生活習慣にも気を付けておきたいですね。

良性の病気だけど・・・

夜に何度も起きてしまったり、トイレが近いからと外出したくなくなったりと、生活の質が落ちてしまうこともあります。

また放置して悪化させてしまうと、膀胱や腎臓に負担がかかって尿閉(尿が出なくなる)などを引き起こすことも。

さらに前立腺肥大症の人は、前立腺がんを併発していないかどうかを調べる必要もあります。

 

前立腺がんは同じような症状が出るので、「前立腺肥大症だと思っていたけれど、ガンだった」ということだってあり得るのです。

デリケートな問題ではありますが、一度は病院に行って、診察や検査を受けましょう。

検査は、肛門側から触って肥大を確かめる直腸診をはじめ、尿検査や血液検査などが行われます。

 

 

ノコギリヤシのサプリってどうなの?

ビタミン 薬

 

ノコギリヤシ(ソウパルメット)は、北アメリカの海岸部に自生している植物で、45cm~1mほどの細長い葉が扇状に広がっているのが特徴です。

その葉がノコギリのように見えることから「ノコギリヤシ」と名づけられました。

ノコギリヤシの効果

ノコギリヤシの薬効があるとされるのは、葉ではなく実のほう。

アメリカの先住民族がノコギリヤシの実をスタミナ源としていたのが始まりのようで、漢方薬でも泌尿器疾患の治療薬として使われることがあります。

そこから、実のエキスには前立腺肥大症による、排尿障害を軽減する効果があると言われるようになりました。

 

ノコギリヤシと前立腺肥大症の関係性については世界各国で注目されていて、臨床試験も複数行われています。

ただし、効果が見られるのは排尿障害の緩和であって、肥大した前立腺を小さくすることはできません。

さらに、効果が現れるまで1~2か月ほどがかかるそう。日本人での効果も確認されています。

臨床試験では効果があると認められた

使われるのは、ノコギリヤシの実から抽出した脂質です。

48週にも及ぶ臨床試験で、前立腺肥大症による頻尿や排尿痛などの排尿障害を緩和する効果があるとの結果が出ました。

また2015年には、良性前立腺肥大に対する抗炎症作用があるとの結果が出ています。

前立腺の大きさを小さくすることはできませんが、尿道に圧力を加える筋肉を収縮する効果はあると考えられています。

 

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副作用はあるの?

ノコギリヤシは、適量の経口摂取は3年にも及ぶ臨床試験で、安全だと言われています。

ただし、稀に副作用として胃腸障害(吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・腹部不快感など)が見られたり、めまいや不眠、疲労、頭痛、筋肉痛、高血圧症などが出ることもあります。

また性ホルモンに作用するものなので、妊娠や授乳中に摂取するのは危険とされています。

男児の性器に異常が出てしまう可能性があるそう。

医薬品との相互作用に注意

また特定の医薬品との併用を続けていると、良くない結果が出てしまうので要注意です。

抗血液凝固薬や抗血小板薬などの脳梗塞の治療などで使われる、血液をサラサラにする薬ですね。

出血しやすくなるとされ、手術時に出血が止まらなくなった例もあるとの事例があるので注意して下さい。

また、前立腺特異抗原というものを減少させてしまう作用もあります。

前立腺がんの発見を邪魔してしまったり、治療にも影響が出てしまうこともあるので注意して下さい。

 

結局のところ効果はあるの?

 

前立腺肥大症は軽症の場合、治療をせずに経過観察をとることも多くあるので、排尿障害が気になるようなら飲んでも良さそうです。

副作用もほとんどないので、上記で説明した注意点に気を付けて飲めば、症状の緩和も期待できるようです。

ただし、あくまでも前立腺肥大症による排尿障害が対象で、それ以外の頻尿には効果がないので注意してください。

また、前立腺のサイズを縮小させる効果はありません。そのまま放っておくと、肥大が進行してしまう可能性もあります。

サプリメントを飲むにしても、定期的に病院での診察を受けて、進行していないかどうかを確認する必要があると言えるでしょう。

ノコギリヤシを飲むメリット

このような場合は飲んでみても良いでしょう。

 

  • 前立腺肥大だということが分かっている
  • 手術をするほどでもなく、経過観察したい
  • 病院の薬は副作用が心配なので、長期間飲みたくない

 

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完治させるためには手術

薬では治らない?

前立腺肥大症と診断されて、軽症ならば経過観察や薬物治療となります。

手術となるのは、それらの治療で改善が見られなかったり、悪化して尿閉などの合併症が見られる重度の場合。

薬物治療で使われる薬には、前立腺を小さくする薬や、膀胱や尿道を締め付けている筋肉を緩める薬が使われます。

しかし、実は薬を飲んでいるだけでは根本治療にはならないのです。

完治させるには、手術で肥大した部分を取り除かなくてはいけません。

 

手術って怖くない?

完治させるなら手術しかありませんが、今は内視鏡でできてしまいます。

まずは生活習慣の見直しなども含めて悪化させないようにすることが大事ですが、いざ手術となると、やはり尻込みしてしまいますよね。

お腹を切って摘出するのは、肥大が本当に大きい時だけです。

TURP(経尿道的前立腺切除術)

尿道から内視鏡を挿入して、先端に流した電流(=電気メス)で肥大した前立腺を切除します。

一度に切り取るというのではなく、カリカリと削っていくイメージです。

下半身麻酔か全身麻酔で、平均1~2時間かかります。

 

最もよく行われる方法で歴史も長いですが、デメリットは出血多量となって輸血が必要になるケースもあるということ。

術後数日間は尿道カテーテルを入れ、痛みも強いので鎮痛剤を飲まなくてはいけません。

さらに、頭痛や嘔吐、けいれんを引き起こす「水中毒」という合併症が出ることもあるので頭に入れておきましょう。

 

HOLEP(ホルミウムレーザー前立腺核出術)

こちらは比較的新しい手術法で、出血や痛みが少なく、入院期間も短くて済みます。

先ほどのTURPでのデメリットが解消される方法です。

やはり尿道からカテーテルを挿入しますが、こちらはレーザーで肥大した部分をくりぬく方法を取ります。

肥大が大きいものにも対応していて保険も適用となるため、TURPと同じくらいの費用で受けることが可能です。

まだ設備が整っている病院が少ないのが難点ですが、気になる方は相談してみてはいかがでしょう。

 

 

さいごに

サプリメントは副作用も少ないので、排尿障害の緩和目的で使ってみるのも良さそうです。

ただし、前立腺肥大症という病気であるからには、定期的に病院を受診して肥大が進んでいないかなどを診てもらう必要があります。

ノコギリヤシに肥大を食い止める作用はありません。

サプリメントといっても、各メーカーから様々な種類が出ていますが、商品によって含有量や質などにも大きな差があるので注意して下さい。

 

夜トイレに何度も起きるのは病気が原因かも?

 

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【参考】
“Effects of hexanic extract of Serenoa repens (Permixon® 160 mg) on inflammation biomarkers in the treatment of lower urinary tract symptoms related to benign prostatic hyperplasia.” PMID: 26306400
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