「視界が揺れる」といっても、その感じ方は人それぞれです。

小刻みに揺れる人もいれば、グラグラするという人もいるし、グニャリと歪んで見えるという人も。

視界が揺れるときに考えられる原因や病気にはどういったものがあるのでしょうか。

 

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視界が揺れる原因

視界が揺れる原因は大きく分けて、脳、目、耳、そして首にあります。

ここでは主に目、耳、首のめまいを見ていきます。

左右の視力差(不同視)

めがね

視力が左右で大きく違う場合に、よく「ガチャ目」なんて言いますが正式には「不同視」と呼ばれます。

視界が揺れる原因が目にある場合、まず考えられるのは不同視です。

目の使い方が良くない

例えばテレビを見る位置が、左目と右目で距離が違っていたりすることがあります。

ほんのちょっとの差かもしれませんが、それが積み重なると、左右の視力に大きな差ができてしまうのです。

ほかにも寝転がった状態で本を読んだり、片肘をついてパソコン画面を見たりと、姿勢が悪い状態で目を使っていると不同視が生じやすいと言われています。

子供に増えている!

不同視を放置して生活していると、ピントが合いやすい目ばかり使ってしまうため、余計に左右の視力差が広がってしまうのです。

特に子供の場合、使わないほうの目の視力が発達しなくなるため、将来的に弱視(眼鏡など使っても視力が上がらない状態)になるリスクが高くなってしまいます。

対処法

不同視だと眼精疲労を起こしやすく、頭痛や肩こりの原因になります。

視力の矯正が必要になってきますが、不同視の場合は、眼鏡よりもコンタクトレンズのほうが向いている場合があります。

また眼鏡やコンタクトレンズ、老眼鏡などが合っていないことでも目は疲れやすくなり、視界が揺れる原因に。

視力トレーニングの方法もいろいろあるので、眼科医に尋ねてみて下さい。

 

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「眼振」の原因は耳や首にあることも

めまい

眼振とは、自分の意思とは無関係に眼球が動いてしまう状態のこと。

正式名称は「眼球振盪(がんきゅうしんとう)」と言います。

たとえば乗り物に乗っていて、窓の外を流れる景色を目で追って眼球が動くのも、生理的な眼振に含まれます。

眼振が起きる「耳の病気」

眼振が起きている時には、耳の一番奥「内耳」に異常が起きている可能性が考えられます。

メニエール病

めまいといえばメニエール病というくらい、よく聞く病名になりました。

メニエール病は難病で、医師によっては簡単な検査で「メニエール病ですね」と診断してしまうこともあります。

しかし実際にメニエール病かどうかを診断するには、かなり詳しい検査が必要です。

 

原因は、内耳に満たされている水分が増えてしまう「内リンパ水腫」というもの。

どうして水が増えてしまうのか、詳しいことはわかっていませんが、ストレスや過労が大きく関係しているのではないかと言われています。

メニエール病の発作が起きると、急に激しい回転性のめまい(グルグル)に襲われます。

 

さらに吐き気や嘔吐、動悸、冷や汗なども出て、難聴や耳鳴り、耳が詰まるような症状も現れます。

発作が続く時間は30分~半日程度。

発作が起こる頻度は人それぞれで、数日に1回のペースで起こる人もいれば、1年に1回くらいしか起こらないという人もいます。

治療は、内耳の水を減らす利尿剤の服用や、抗めまい薬などの薬物療法を中心に、発作が頻繁に起こるようなら手術も検討されます。

 

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前庭神経炎

耳

 

先ほどのメニエール病は内耳全体の異常でしたが、前庭神経炎は、内耳の中の“前庭神経”という部分にのみ異常(炎症)が起きている状態です。

風邪をひいた後になりやすいことから、ウイルス感染が原因との説が有力なようです。

前庭神経は平衡感覚をコントロールしている器官ですが、炎症が起きると突発的に激しい回転性のめまいに襲われ、ふらつきもひどく歩くことも困難になってしまいます。

 

めまいに伴って、吐き気や嘔吐、冷や汗なども見られますが、難聴や耳鳴りなどの耳の症状は見られません。

症状が続くのは数日~1週間程度ですが、その間は酷いと歩くことも困難になってしまうので、入院処置をとることもあります。

安静にして、炎症を鎮めるステロイド剤などの薬物療法を行い、しっかりと歩けるようにリハビリテーションも患者さんに合わせて行っていきます。

 

内耳炎

内耳炎は、中耳炎などの炎症が内耳まで広がってしまうことで起こります。

炎症が急激に広がってしまった場合には、激しい回転性のめまいが起き、吐き気や嘔吐とともに、ひどい難聴や耳鳴りも見られます。

 

一方で、慢性中耳炎などの緩やかな炎症が原因の場合は、軽い耳鳴りや難聴、めまいもフラフラする程度なので内耳炎になっていると気づきにくいことがあります。

治療は抗生剤の服用と、内耳の機能回復のためにビタミン剤やステロイドを使用。

そのほかに、原因となっている中耳炎などの治療も重要になってきます。

 

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良性発作性頭位めまい症

耳が原因のめまいで一番多いのが、良性発作性頭位めまい症です。

耳石というものが、なんらかの拍子に平衡感覚を支配している三半規管の中に入り込んでしまうことが原因。

振り返った時や寝返りを打った時など、一定の方向に頭を傾けた時にのみ、回転性のめまいが起きます。

 

ただし、めまいが起きている時間は数十秒程度で、難聴などの症状は見られません。

繰り返すうちにだんだんと症状が軽くなっていくものなので、経過観察となることが多くなっています。

症状が辛い時には、抗めまい薬などで症状を緩和することもありますが、“良性”と付くように、予後も良いので心配しなくても大丈夫でしょう。

 

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眼振が起きる「首の病気」

肩・首こり

頚性めまい

頚性めまいは、首が原因のめまいです。

現代生活ではスマホやパソコンなど首や頚椎に負担がかかる動作が多く、潜在的な患者数はかなり多いようです。

良性発作性頭位めまいやメニエール病と、頚性めまいを合併している患者さんがかなり多いといわれています。(*1)

 

眼振が現れることもありますが、そうでない場合もあり、一致した意見にはなっていません。

首は脳脊髄液や自律神経などが通っていて、異常があると自律神経失調症やうつなど、さまざまな症状が出ることもあります。

治療は筋弛緩剤を処方されることもありますが、マッサージが効果的なので、まずは首周辺の筋肉をマッサージしてみるのも良さそうです。

 

以下のような症状があれば、頚性めまいの可能性が高いとされています。

 

  • 首や肩の凝りがひどい
  • 姿勢に問題がある
  • 歯並びや顎まわりに悪いところがある
  • 運動不足
  • ストレスで緊張することが多い

 

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眼振検査をしてみよう

チェック項目

 

めまいで「周りの景色がグルグル回ってる」というのも、実際に動いているのは周りの景色ではなく、自分の眼球なのです。

眼振は規則的に反復した動きをしますが、その動き方は原因や病気によって違ってきます。

めまいの原因となっている病気を診断するためには、眼振検査をすることが重要になってきます。

 

眼振検査では、「フレンツェル眼鏡」や「赤外線CCDカメラ」といった、特殊なゴーグルのようなものを付けます。

これを付けると視点が合わなくなるのですが、その分、細かい眼振を見られるようになるのです。

医師が頭をいろいろな方向に傾けることで、その時に起きる眼振をチェックします。

ほかにも必要に応じてより詳しい眼振検査をしたり、脳の病気が疑われる場合にはCTやMRI検査を行ったりします。

 

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そのほかの視界が揺れる病気

脳

ウェルニッケ脳症

ビタミンB1(チアミン)の欠乏で、脳に障害が起きるウェルニッケ脳症。

偏食などによる栄養失調のほか、お酒の飲みすぎや、胃の全摘手術が原因となることもあります。

脳の中枢神経に影響が出てしまうため、「意識障害」「運動失調」「眼球運動障害」などが起こります。

 

眼振のほか、目が自由に動かせなくなったり、内斜視になってしまうこともあります。

治療はビタミンB1の投与が中心で、早くに開始したほうが回復も早いと言われています。

 

不整脈

不整脈といっても、脈が速くなる「頻脈」、逆に遅くなる「徐脈」のほか、脈拍のリズムが乱れるものも含まれます。

不整脈が起こる原因はいろいろですが、一番多いのは心疾患で、ほかには甲状腺機能異常やストレス、薬の副作用ということも考えられます。

 

不整脈が起こると、脳へと送り出される血液の量を保てなくなるため、脳貧血状態になってしまいます。

それにより、めまいや吐き気、冷や汗、血圧低下などが起こり、失神してしまうことも。

あまりにも失神を繰り返す場合には、心臓を動かすための電気信号に異常が出ている可能性も考えられるので注意しましょう。

 

自律神経失調症

自律神経の乱れは、体と心のいろいろな不調の原因です。

その中には血流悪化や平衡感覚が上手くいかなくなることによる、めまいや眼振も含まれます。

また先ほどの頚性めまいからくる自律神経失調症も考えられます。

 

原因はストレスと言われますが、自律神経失調症は“原因不明”の時につけられる病名でもあります。

まずは病気が隠れていないかどうか、しっかり検査を受けてください。

ストレスは万病のもとなので、溜めすぎないように日ごろから適度に解消していきたいですね。

 

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視界が揺れたら何科に行く?

病院

 

めまいは原因不明なことが多く、耳鼻科や整形外科、脳外科などでは判断がつかず病院を何件も回って苦労されている方も多いようです。

要注意なのが、脳梗塞や一過性脳虚血発作に伴うめまいです。

 

  • 目の焦点が合わない
  • 手足がしびれる
  • 頭痛がする
  • ろれつが回らない

 

これらの症状が出たら脳の病気も考えられるので、速やかに脳神経内科や脳神経外科を受診することをおすすめします。

急を要しないのであれば、めまい専門外来、耳鼻科や総合病院の内科が良いでしょう。

 

必要に応じて、MRIなどで脳の検査ができる施設を紹介してもらえます。

病院に行く時は、「どんなタイミングで視界が揺れるのか」「どのくらいの時間続くのか」「どんなめまいがあるのか」「他に症状はないか」などをスムーズに言えるようにしておくと良いですね。

 

目の焦点が合わない8つの原因と病気

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参考(*1) : 繰り返す難治性めまいでは「首」を疑え 「日経メディカル」(2017/1/12)

 

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