暑い夏場は、ポタポタ滴り落ちるくらい足の裏に汗をかく。

冬になるとちょっと緊張するたびに、靴下がビッショリ濡れるくらい汗をかく。

そんなお悩みを抱える方は「足底(足蹠)多汗症」という病気かもしれません。

足の裏に大量の汗をかいていると、臭いだったり水虫だったりと、日常生活でも困ることがたくさんありますよね。

足の裏に汗をかく原因には何が考えられるのか、対策や治療法とともに見ていきましょう。

 

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足の裏に汗をかくのは足底(足蹠)多汗症

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足の裏や手のひらには、もともと汗を出す“汗腺”が密集しているので、普通に汗をかく分には問題ありません。

足は靴下や靴を履いている時間が長いので、どうしても熱がこもりやすく、体温も上がりやすくなっています。

汗のかき方が普通じゃない!

足が「暑いなぁ」と感じて汗をかくことには、体温調節の役目があります。

運動をした時にも体温は上昇しますし、辛い物を食べた時にも生理現象として汗はかきます。

しかし夏場や運動をした時ならわかりますが、寒い冬場にも大量の汗をかくのは普通じゃないですよね。

 

緊張した時にドッと汗をかくのも、人によりますが異常と考えてよいでしょう。

足の裏に大量の汗をかくと、靴下や靴で蒸れて、雑菌が繁殖して水虫になったり、臭いの原因になったり。

臭いが気になると、「どうしよう、クサいって思われてないかな・・・」とばかり考えて、精神的にも悪いですよね。

ブーツを履く人だと、余計に蒸れが気になってしまうと思います。

 

足底(足蹠)多汗症とは?

病的に大量の汗をかく“多汗症”には、2つあります。

全身に症状が出る「全身性多汗症」と、手のひらや足の裏、わきの下などの部分的に症状が出る「局所性多汗症」

今回メインとなるのは、多汗症の9割を占める局所性多汗症のなかの、足の裏にだけ汗をかく「足底(足蹠)多汗症」というものです。

 

日本人の7人に1人は多汗症だというデータもありますが、実際に病院を受診する人は1割にも満たないと言われています。

確かに汗が出るだけで命に関わるようなものではないですが、日常生活でなにかと不便な思いをすることも事実。

大量に汗をかくせいで、仕事や勉強がはかどらなかったり、臭いが気になって靴を脱ぐ場所に行けなくなったり、一人で悩みすぎてうつ病になることだって、ないとは言い切れません。

 

足の裏に大量の汗をかく原因

 

多汗症になって大量の汗をかくのは、自律神経の乱れが原因とされていて、その中でも関係があるのが“交感神経”です。

交感神経がなんらかの原因によって過敏にはたらいてしまうことで、かく汗の量も増えていることが考えられます。

精神的ストレス

ストレスで自律神経が乱れるのは有名ですね。

もともと、足の裏などの汗腺が密集しているところは、精神的なことが原因で汗をかきやすい場所となっています。

多汗症でなくても、緊張したり、びっくりした時などに、汗がじわっと出たことがある人もいるのではないでしょうか。

 

その冷や汗も尋常ではない量をかくなら、ストレスによる多汗症の疑いがあります。

また「どうしよう、汗かいちゃった・・・」「臭いは大丈夫かな・・・」と、汗をかいたことに対してストレスを感じてしまうと、余計に汗が止まらなくなり、悪循環に陥ってしまいます。

 

食べ物

熱いもの、辛いもの、カフェイン、アルコールなどを摂ると、汗をかきやすくなります。

生理現象のようなもので、人によっては甘いもの、酸っぱいものに反応することもあります。

しかしこれらとは別に「味覚性多汗症」といって、一種の病気のように「食事をすると汗を異常にかく」ということがあります。

精神性ストレスも関係しているようで、「これを食べたら汗をかく、どうしよう」という予期不安が汗を引き起こしていると考えられます。

 

遺伝

親子ともに多汗症というのも珍しくありません。

すべてを遺伝で片づけてしまうのも良くありませんが、交感神経が敏感にはたらきやすい性質を、親から子へと遺伝していると考えることもできますね。

 

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンが分泌されるところと、自律神経のはたらきがコントロールされるところは、実は同じ場所(脳の視床下部)なのです。

そのため、ホルモンの分泌異常につられて、自律神経まで乱れている可能性も考えられます。

代表的なものだと、50歳前後の女性に訪れる更年期障害。

女性の場合は、月経や妊娠でホルモンバランスの乱れが原因になっている可能性もありますね。

 

甲状腺などの病気

症状の一つとして「多汗」が入っている病気はたくさんあります。

有名なものだと、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、褐色細胞腫(副腎にできた腫瘍)、糖尿病、結核など。

ただし、これらの病気の場合は、全身性多汗症となることが多いようです。

 

足裏の汗はどう対策する?

 

手のひらなら、こまめに拭いたり洗ったりすることもできますが、足の裏は靴下や靴のせいで、なかなか対処できないですよね。

足元の環境を整えておくことが重要になってきます。

靴の中敷き

最近は、靴の中敷きも種類豊富にありますよね。

中敷きというとクッション性が重要ですが、それ以外でも、抗菌、吸水性、通気性などのついた、高性能なものがたくさんあります。

靴の中が汗で蒸れると、雑菌も繁殖しやすくなって水虫の原因にもなるので、中敷きの性能には、少しこだわってみても良いでしょう。

中敷きは自分の足や靴にあったものを選び、こまめに洗って、靴の中のお手入れもしっかり行うようにしてください。

 

足用の制汗剤

制汗剤というと脇の下のイメージですが、今では足用の制汗剤やデオドラントも見かけるようになりました。

従来のスプレータイプのほかにも強力な直塗タイプや、持ち運びに便利なスティックタイプなどがあります。

 

防臭・消臭効果のあるものも多いので、出かける前や前日のひと手間でだいぶ違ってくると思います。

足用の制汗剤の中でも、特に人気なのが「デトランスα」。

「デトランスα」はかなり強力で、寝る前にサッと塗るだけで長時間サラサラが続きます。

 

靴下をこまめに履き替える

状況によっては難しいと思いますが、やはり一番効果が高いのはこれでしょう。

トイレなどで履き替えて汗を拭きとったり、制汗剤を付け直したりすれば、対策としてはバッチリです。

消臭機能のある、吸汗や速乾タイプの5本指靴下も発売されているので、試してみてはいかがでしょうか。

ジップロックの袋も一緒に持ち歩いておいて、脱いだ靴下を入れて密閉してしまえば、臭いも気にならないと思います。

 

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足の汗が止まらない時は病院へ!

外用薬

足の裏の多汗症で病院を受診するなら、まずは皮膚科が良いでしょう。

治療は、汗を止めるための処置を中心に行います。

塩化アルミニウム

病院に行ってまず処方されるのは、塗り薬の「塩化アルミニウム」です。

「デトランスα」も塩化アルミニウムを配合していて、市販で買えるものとしてはトップレベルの含有率となっています。

基本的には就寝前に1回、患部に塗りますが、効果があるのは塗っている期間のみなので、「効果が薄れてきたな」と思ったら、また塗る必要があります。

 

ボツリヌス毒素注射(ボトックス注射)

ボツリヌス毒素とは、食中毒の原因菌の一つ。

それを注射するなんて怖い気もしますが、きちんと医療用に作られていて、けいれんを止める治療などにも使われているものです。

皮膚の浅いところに細かく注射していくことで、その部分の汗が出なくなります。

 

効果は3~4か月続くので、ちょうどワンシーズンほどなので、夏前に治療を受ければ、特に汗をかく時期に安心できそうですね。

最近では針を使わない、痛みのない注入方法も出てきました。

ただし保険適用でも1回3万円ほどかかるので、本当に重度で生活に支障が出ている人向けです。

 

水道水イオントフォレーシス

薬ではありませんが、水道水の入った足湯のような機械に足を浸して、微弱な電気を流します。

症状がひどいうちは週に1回、良くなってきたら2~3週間に1回のペースで行います。

ただし効果があるのは、治療を行っている期間のみなので、継続して通院する必要が出てきます。

ちなみに医療用と比べると効果は劣りますが、家庭用機器もあるそうなので、気になる方は病院で相談すると良いですね。

 

内服薬

 

病院によっては外用薬と飲み薬を併用することもありますし、軽症ならば飲み薬だけでも解消されることがあります。

プロ・バンサイン

プロ・バンサインは、汗が分泌されるのを抑えるための薬です。

抗コリン薬という薬に分類され、胃潰瘍の治療薬として使われる薬ですが、多汗症や夜尿症にも効果があるとされています。

ただし、薬の「アセチルコリンを抑える」作用により、発汗を抑えるだけでなく、口の渇きや便秘などが副作用として現れる可能性もあります。

 

グランダキシン

グランダキシンは緊張を抑える薬で、精神的ストレスが原因となっているときに使われます。

乱れた自律神経を整えるもので、抗不安薬に分類されますが、穏やかな作用で安全性は高いとされています。

ストレスからくる動悸、頭痛、胃痛などでも処方されることがある薬です。

 

漢方薬

漢方薬はその人の体質や症状でないと効果がないので、医師に相談して処方してもらうようにしましょう。

多汗症で処方される漢方薬には、黄耆建中湯、黄連解毒湯、防己黄耆湯・五苓散、加味逍遙散などがあります。

 

腰部交感神経ブロック

腰部交感神経ブロックは自律神経の一つである「交感神経」をブロックすることで、発汗を抑えるとされています。

神経ブロックは痛み止めというイメージが強いですが、汗などの症状においても効果があるようです。

針を刺して局所麻酔などの薬剤を入れる、アルコールを注入する、高周波の熱を伝えるなど、いくつかの方法があります。

数日間の入院が必要になることもありますが、効果は数ヶ月~数年持続すると言われています。

 

手術

多汗症の治療として、手術は本当に「最終手段」です。

「なにをやってもダメ」「とてもじゃないけど生活できない」という、重度の支障が出ている場合に限ります。

胸腔鏡下交感神経節切除術(ETS)

医師もあまり積極的にはすすめない原因は、副作用の一つである「代償性発汗」にあります。

手術は基本的に手のひらの多汗症で行われますが、手と足の多汗症を合併している人は多いため、足の汗を減らす目的でも行われることがあります。

 

手のひらから出るはずの汗が、他の部分から出るようになってしまうのが代償性発汗で、背中や胸、太ももといった部分に現れやすくなっています。

代償性発汗によって手術をしたことを後悔する人もいますが、神経を切除してしまった以上、元に戻すことはできません。

一生にかかわってくる問題なので、よく考えてから決断をする必要があります。

 

 

さいごに

足の裏の汗は病気でもないし、病院に行くまでもないかも…と思ってしまいがち。

まずは手軽にできる方法を試してみて、それでも異常なくらい汗をかくようであれば、病院できちんと診てもらった方がよいかもしれません。

「ただの汗っかきかもしれない…」と迷っている場合は、普通の人が汗をかかないような場面でも大量の汗をかいていないかを基準にしてみて下さい。

微妙な場合も、生活の質が落ちていると感じるならば、病院に行ってみることをおすすめします。

 

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