死に至る病として恐れられていた結核。

沖田総司や滝廉太郎、正岡子規など、多くの著名人も結核で亡くなっています。

戦後、結核によく効く薬が開発されたことで、結核で亡くなる人は大幅に減少しました。

結核は昔の病気というイメージがありますが、現在の日本でも1年に2万人近い患者が新たに発生し、2千人以上の人が結核で亡くなっています。

患者さんの多くは「まさか今頃結核なんて!」と驚くことも多く、ただの風邪だと思っていたことが原因で受診や発覚の遅れにつながることもあります。

 

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結核はうつる?

はてな

 

結核菌という細菌が体の中に入って、咳や発熱、呼吸困難などを起こす病気です。

それ以外の症状としては食欲減退、急な体重減少、体のだるさや息切れなどがあります。

さらに治療をせずに放っておくと、血の混じった痰が出たり、喀血(血を吐くこと)などが起こり、最悪死に至ることも。

 

また結核菌は主に肺の内部で増殖しますが、肺だけでなく、骨や腎臓、脳、リンパ節など様々な部位に影響を及ぼすこともあります。

結核と一言でいっても「菌を排出している排菌状態」と「排菌していない状態」に分かれます。

排菌している場合は人にうつす恐れがあるので、排菌がおさまるまでの間は仕事に制限がかけられたり、結核治療の専門病院に入院する必要があります。

 

結核の感染経路

先ほど、排菌している場合は人にうつす恐れがあると言いましたが、結核は空気感染で起こります。

肺結核を発病している患者さんが咳やくしゃみをすると、しぶきに含まれる結核菌が空気中を漂い、近くにいる人が結核菌を吸い込むことで感染します。

結核菌はとても小さいので、花粉症用のマスクなどでは予防することができません。

 

また締め切った狭い部屋や、換気扇のない部屋などは特に感染しやすくなります。

しかし結核患者さんが触れたものを触ったからといって、結核に感染することはありません。

結核菌は紫外線に弱いので、心配な場合は患者さんが使用した布団などを日干しすることで殺菌効果があります。

 

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結核の潜伏期間(感染から発病するまで)

結核はインフルエンザのように、感染したからと言ってすぐに発熱したり、咳が出たりするわけではありません。

結核に感染してから、発病するまでの潜伏期間は、だいたい6か月~2年くらいと言われています。

また結核は感染をしても、必ず発病するわけではありません。

 

感染した当初は免疫力が高く、発病を抑えていた場合でも数年~数十年後、高齢による免疫力の低下や、過労など他の病気にかかったことなどが原因となって発病する人も多くいます。

そのため現在高齢者で発病した人の場合は、結核が流行していた時代に感染していた可能性が十分考えられます。

「何十年も結核に感染している状態なんて心配・・・」という人もいるかもしれません。

ところが感染していても発病していない場合は、症状が一切出ず、他の人にうつすこともないため、通常の生活を送ることができてしまうのです。

 

結核に感染、発病した場合の治療方法

薬

 

感染している場合と、発病している場合では治療方法が異なります。

感染している人

感染している場合は、結核の発病を予防するために1種類の薬を6か月間毎日服用します。

 

発病している人

すでに結核を発病している状態になると4種類の薬を2か月間服用し、副作用などの問題がなければ薬を2種類減らして残りの2種類の薬を4か月間服用します。

高齢者の場合や何か持病がある場合などは、薬が3種類になるため治療期間が長くなる場合もあります。

 

治療中の注意点

ここで特に気を付けなければいけないことは、定められた期間、薬を毎日必ず飲まないといけないということ。

結核の場合、薬を飲んだり飲まなかったりした場合、薬に対する耐性菌を作ってしまう原因になります。

耐性菌が出来てしまうと、薬が効かなくなって、最悪治療ができずに亡くなってしまうことも…。

 

結核の薬は強い薬なので、人によっては副作用が出てしまうこともあります。

ところが自己判断で服薬を中断してしまうと、耐性菌ができてしまう原因に。

そのような状態にならないためにも、服薬中に少しでも異常を感じた時は、自己判断で服薬を中断せず、必ずすぐ医師に相談しましょう。

 

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薬の飲み忘れをなくすためのサポート体制

 

結核に感染、発病していることが判明すると、診断した医師は直ちに最寄りの保健センターに「結核の発生届」を提出することが法律で定められています。

発生届を受け取ると、保健センターの保健師が患者さんへ連絡を取り、患者さんや家族と面接を行います。

保健師は患者さんの服薬をサポートをする存在です。

 

薬の飲み忘れがないよう家庭訪問をしたり、服薬手帳の使い方を説明したり、患者さんが治療を終了するまで応援してくれます。

また結核はどうしてもイメージが悪く、人には相談しにくい病気ですが、1人で抱え込んでしまわないように不安や悩みを聞いてくれる存在でもあります。

飲み忘れをしないためにも、1人で抱え込まず、頼れるところはどんどん頼りましょう。

 

こんな症状は要注意!

結核は発見が遅れるほど排菌量が多くなり、気付かないうちに、大切な家族や友達に感染させてしまっていた・・・ということもよくあります。

発見が遅れないようにするためにも、以下のような症状がある場合は受診しましょう。

 

  • 2週間以上咳が続くとき
  • 痰が続くとき、または痰に血が混じっているとき
  • 微熱が続くとき
  • 体がだるかったり、息苦しさが続くとき

 

結核を発病している場合、レントゲン検査で発見することができます。

そのため、必ず定期健診は受けるようにして下さい。

 

むせるような咳が止まらない原因は?

 

 

参考:公益財団法人結核予防会 東京都感染症情報センター

 

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