上腕(二の腕)とは、肩から肘にかけての部分。

上腕骨という1本の骨と、その周りにある筋肉などの組織で構成されています。

さらに上腕骨は肩関節とも繋がっているため、腕を動かすためには、とても重要な部分となっています。

上腕(二の腕)が痛い時、原因はどこにあるのでしょうか?

腕や肩、首、もしくは思わぬところに原因が隠れているのかもしれません。

 

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腕の筋肉が原因

上腕 筋肉

 

上腕の筋肉というと、まず“上腕二頭筋”が思い浮かぶと思います。

上腕には上腕二頭筋以外にもいくつかの筋肉があるため、どれかが筋肉痛を起こして痛みが発生している可能性もあります。

あきらかに筋肉痛ではない場合には、筋肉の断裂が起きている可能性も出てきます。

上腕二頭筋断裂

“力こぶ”でもある上腕二頭筋は、2つに分かれています。

外側にあるものが「長頭腱」、内側にあるものが「短頭腱」ですが、断裂が起きるのは「長頭腱」のみです。

外側にある長頭腱の断裂

長頭腱が断裂する原因は加齢によるものが多く、長年の摩耗で脆くなった筋肉が、断裂を引き起こします。

肉体労働やスポーツで腕をよく使うという場合は、若い人でも断裂することがあります。

長頭腱は肩関節へと伸びる途中で、上腕骨にある溝にはまっていて、その部分で摩擦が起きます。

 

例えば剣道や水泳などの腕を高く上げるスポーツをする人は、多く負担がかかってしまうのです。

断裂が起きると、肩から二の腕前面にかけて痛みが走り、出血による腫れや青あざが見られます。

また完全断裂を起こしていると、上腕二頭筋の位置が下がって、力こぶが肘寄りに出ることも。

高齢者の場合は安静にして様子を見ますが、生活に支障が出る若い人などは手術をすることもあります。

 

肘側が断裂することも

上腕二頭筋の肘側でも、断裂が起きることはあります。

頻度としては多くありませんが、肉体労働中などで、急に重いものを持ち上げたり、上から落ちてきたものを受け止めたりした時に「バキッ」という感覚があれば、断裂しているかもしれません。

肘前面あたりに激痛が走って、肘を動かしたり手のひらを上に向けられなくなり、内出血により腫れて青あざができることもあります。

下側の断裂は、上側の断裂よりも重症となるため、手術での処置が基本となります。

 

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肩まわりが原因

肩・首こり

 

上腕骨が接している肩関節に異常があることにより、上腕に痛みが出ていることもあります。

肩関節の異常で考えられるものは色々ありますが、見分けることが難しいので、病院でしっかり検査してもらうことが大切。

肩腱板損傷

肩腱板(けんけんばん)とは、肩の深いところにある腱のことです。

肩関節の動きを支える重要なもので、腕を上げたり、ねじったりする時にサポートしています。

この肩腱板の損傷は男性の右肩、特に野球投手によく見られるため、使いすぎが原因である可能性が高いです。

症状の程度は、肩腱板の炎症~断裂まで、幅が広くなっています。

 

関節が固くなるわけではないので腕を上げるなどの動作はできますが、特定の角度に関して力が入りにくく、ジョリジョリとした音がして、スムーズに動かすことができなくなります。

また夜間にのみ痛みが出ることもあり、睡眠障害を起こすこともあります。

三角巾で腕を吊るなどして安静にしておき、症状が改善されないようなら手術となります。

 

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肩関節周囲炎(五十肩)

五十肩という名で知られる肩関節周囲炎は、名前の通り、50代前後に多く見られる疾患です。

たいていは片側のみに発症し、一度治ると再発することはありません。

肩関節周囲にある組織の変化(変形など)により炎症が起き、痛みや肩が上がらないなどの動きの制限が発生します。

 

肩関節の痛みは、安静にしている時や夜間に眠っている時でも起こります。

肩関節周囲炎が起きると、2週間の急性期を経て半年ほどの慢性期に移り、最終的には回復期へと入っていきます。

治るまでには1年ほどですが、その間は安静にしているのと同時に、関節が固まらないように積極的に治療を取り入れていく必要があります。

 

肩石灰沈着性腱炎

40~50代の女性に多く見られる疾患で、肩腱板に石灰(リン酸カルシウム結晶)が沈着して、炎症を起こすものです。

発症すると夜間の激痛から始まり、肩を動かせなくなっていきます。

沈着した石灰は自然と体内に吸収されていくことが多いですが、治らない場合は針で吸引することもあります。

五十肩と症状がよく似ていますが、肩石灰沈着性腱炎はレントゲンを撮ると沈着した石灰を確認することができます。

 

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上腕骨頸部骨折

上腕骨の上の部分(肩側)を頸部と言いますが、その部分を骨折することで上腕に痛みが出ている可能性もあります。

この部分の骨折は女性に多く、骨粗しょう症などで骨が脆くなっている人は要注意。

転びかけて思わず手をついた時や、肩を強打した時に骨折しやすくなっています。

 

骨折と同時に肩を脱臼したり、肩まわりにある神経や血管を傷つけてしまうことで、しびれが起きることもあります。

骨折をしたら基本は固定させて、肩が固まらないように早期からリハビリを行っていきます。

ただし、腕を動かすために重要な部分の骨折であるため、大きな骨折をした場合は手術を行い、それでも不十分なら人工関節を入れる処置を行うこともあります。

 

 

首が原因

 

首の骨(頸椎)ではすぐ隣に脊髄が走っているため、少しの変形でも脊髄を傷つけて、全身に様々な障害をもたらしてしまうことがあります。

頚椎症

頸椎や、その間に挟まっている椎間板などに変形が生じると、脊髄にダメージを与えてしまいます。

変形が起こる原因は外傷か、40代以降の加齢に伴うもの。

肩から腕へ走っている神経が傷つくことで、上腕にも痛みが現れます。

 

首や肩のコリから始まり、腕の痛みや脱力感、疲労感が出たり、手指がしびれるような感覚があるなど、指先で行う作業が困難になってきます。

治療は、薬を使ったり固定で済ませたり、首の緊張をとるような処置を行ったりと、症状に合わせて行っていきます。

 

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その他の原因

おばさん

 

腕の痛みというと、その付近にある肩や首が原因であることが多いですが、全身の疾患から腕の痛みが出ている可能性も考えられます。

低カリウム血症

低カリウム血症になると、筋肉痛や脱力感、けいれん、こむら返りなどの症状が現れます。

原因は下痢や嘔吐、利尿剤の影響などで、尿中にカリウムが大量に排出されてしまったこと、甲状腺疾患などが考えられます。

カリウムは食事で不足分を補うことができるので、献立を見直してみると良いですね。

 

糖尿病

糖尿病というと内臓の病気というイメージですが、骨や筋肉などの疾患リスクも上がります。

特に骨粗しょう症になりやすく、五十肩や関節の痛みも引き起こしやすくなっています。

糖尿病による骨や筋肉へのダメージは整形外科などで治療を行いますが、それ以前に血糖コントロールをすることが大前提となってきます。

 

肺がん

上腕に痛みがあるので検査をしたところ、肺に悪性腫瘍が見つかったというケースもあります。(*1)

肺の上部に腫瘍ができると、神経や骨を圧迫して、肩や上腕にひどい痛みを感じることがあります。

痛みが出るのは、腫瘍のある片側のみのことが多いようです。

 

心筋梗塞

心筋梗塞の放散痛でも二の腕が痛くなることがあり、息をするのが苦しくなったり、吐き気を伴うことがあります。

特に冷や汗も出ているときは症状が重いため、要注意です。

心筋梗塞の症状については、こちらの記事も参考にしてみてください。

 

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上腕(二の腕)の痛みの対策は?

 

上腕(二の腕)の痛みは、筋肉や骨、肩関節などに問題があることが多いので、専門は整形外科になります。

これらの上腕の痛みが起こる原因は、症状が似通ったものも多く、医師による検査や診断が重要になってきます。

ただし、しっかりと検査を行っても見逃されてしまうものもあるので、いつまでも治らないという場合にはセカンドオピニオンも考える必要があります。

 

その時には、日本整形外科学会からの認定を受けた専門医を頼ってみるのも良いでしょう。

専門医は全国の病院にいるので、インターネットなどで検索して、お近くの病院を探してみてください。

 

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参考(*1):「肩や上腕のひどい疼痛」で見逃せない疾患は?(日経メディカル)