下肢静脈瘤とは、足やふくらはぎの静脈にできた瘤(コブ)のこと。

下肢静脈瘤自体は良性で、決して珍しくはない病気です。

でも血管がボコボコと浮き上がって見えたり、クモの巣状に青白く浮かび上がったりします。

スカートを履く女性なんかは困ってしまいますよね。

足やふくらはぎの血管がクモの巣状に浮き出る下肢静脈瘤とは、一体どんな病気なのでしょうか。

 

Sponsored Link

 

下肢静脈瘤とは?

足 下肢

 

下肢とは足のことで、静脈瘤とは血管にできた瘤(コブ)のこと。

良性の病気ですが、自然治癒するものでもなく、放置して悪化すると厄介なことにもなるため注意は必要です。

静脈は全身を巡っている血液を心臓へと戻す役割を持っています。

足は下から心臓へと、1mも重力に逆らって血液を送らなくてはいけません。

 

下肢静脈瘤は、その足の静脈の“弁”が壊れてしまい、血液が逆流して足に溜まってしまうことで起こります。

40代以上の女性に多く見られることが特徴で、10人に1人は静脈瘤を持っていると言われるほど。

誰にでも起こる可能性のある、意外と身近な病気でもあります。

 

Sponsored Link

 

下肢静脈瘤の4つのタイプ

下肢静脈瘤は、瘤ができている静脈によって4つのタイプに分けられます。

見分けるには、症状が出ている静脈の太さがポイントとなってきます。

伏在型静脈瘤

足のだるさや痛みが一番出やすいのが伏在型静脈瘤で、静脈が4mm以上のもの。

太い血管がボコボコと盛り上がって浮き出ているため、一目で皮膚の凹凸が分かると思います。

この伏在型静脈瘤は手術が必要となるケースも多いため、医師の診断が重要になってきます。

伏在静脈は、どの静脈に問題が出ているかによっても、さらに2タイプに分けられます。

大伏在静脈瘤

大伏在静脈という、足の付け根~足首にかけて、主に足の内側を通っている静脈に瘤ができるタイプです。

ボコボコと血管が浮き出る症状が、ふくらはぎの内側や前面に、悪化すると太ももにまで現れます。

足の付け根にある静脈弁が壊れてしまっているもので、伏在静脈瘤の90%はこれに当たります。

 

小伏在静脈瘤

小伏在静脈という、膝の裏~足首にかけて通っている静脈に瘤ができるタイプ。

血管のボコボコは主にふくらはぎの裏側に見られます。

小伏在静脈の弁があるのは膝の裏あたり。

その静脈弁が壊れてしまっている状態で、伏在静脈瘤の10%を占めます。

 

側枝型静脈瘤

静脈の太さが3~4mmほどのもので、側枝というのは先ほどの伏在静脈から枝分かれしている血管のことです。

青い血管が浮き上がって表面に出ていると思います。

症状が見られるのは主にふくらはぎ周辺で、枝分かれした血管のみに症状が見られるものです。

中には伏在型静脈瘤も合併している可能性があるため、気を付けなくてはいけません。

 

網目状静脈瘤

静脈の太さが1~2mmほどのもの。

太ももの外側や膝の内側、くるぶしなどによく見られるもので、青い血管が網目状に広がっているのが皮膚表面に現れます。

これは、皮膚の下の浅いところを通っている、皮下静脈という血管が拡張しているもの。

皮下静脈は細い血管のため、血管が浮き上がるといったことはあまり見られません。

 

くもの巣状静脈瘤

静脈の太さが1mm以下のもの。

太ももや膝裏、ふくらはぎなどによく見られ、青紫色の血管が放射状、ちょうどクモの巣のように広がっています。

これは真皮内静脈という、皮下の浅いところを通っている細い血管が拡張することにより起こります。

もし血管が赤紫色に見えるようなら、真皮内静脈ではなく毛細血管が拡張していることも考えられます。

 

Sponsored Link

 

 

下肢静脈瘤の症状と原因

足 むくみ
下肢静脈瘤ができると、足のむくみやだるさ、静脈が張って痛いなどの症状が見られます。

エコノミー症候群になる!?

下肢静脈瘤は、静脈弁が壊れてしまうことで起きているため、自然に治るということはありません。

放置して悪化させると、色素沈着や紅斑、湿疹やかゆみなどが現れる「うっ滞性皮膚炎」になることも。

かゆいからと掻きすぎたことで、皮膚に穴が開く「皮膚潰瘍」になったりすることもあります。

 

またよく言われるのが、「エコノミークラス症候群」になるのではないかということ。

マスコミなどの報道で、血栓が心臓や肺へと流れるから危険、などと言われています。

ただし、日本人で実際にエコノミー症候群になる人はほとんどいないそうなので、あまり心配しなくて良さそうです。

 

下肢静脈瘤になる原因

下肢静脈瘤の原因は、逆流を防いでいる薄い静脈弁が壊れてしまうことです。

そのため、強い圧力がかかり続けていると、簡単に壊れてしまうのです。

その原因にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

加齢

下肢静脈瘤の発症率は、40代以降、年をとるごとに増加していきます。

それは、加齢によって血管の劣化や、ポンプ機能を担っているふくらはぎの筋肉の衰えが進むため。

年をとることは仕方のないことですが、筋力などが衰えないように運動はしていきたいですね。

ただし、足に負担がかかるような生活をしていれば、10代20代でも発症することは十分に考えられます。

 

肥満

体重を支えている足。もちろん体重が重くなるほど、足の負担は大きくなりますよね。

また、肥満の原因である運動不足は、ふくらはぎの筋力低下や、ほかの病気の発症にも繋がります。

足の負担にならない程度の適度な運動はとっても重要です。

 

ほかにも、便秘や高血圧なども下肢静脈瘤の悪化の原因。

これらは背景に生活習慣が大きく関係していますよね。

特に食事、塩分や脂肪分の摂り過ぎには注意が必要です。

 

Sponsored Link

 

遺伝

実は、下肢静脈瘤は遺伝する病気。両親ともに下肢静脈瘤だと、90%の確率で子供も発症すると言われています。

そういう遺伝子があるというわけではありませんが、親子では必然的に体質が似てしまうため、遺伝しても不思議はありません。

親が下肢静脈瘤だという人は、将来的に自分もなる可能性があるということを予測しておいた方が良いです。

 

妊娠・出産

下肢静脈瘤は、男性よりも女性に多い病気。

その要因として、妊娠や出産が挙げられます。

大きく関係しているのは、女性ホルモンであるエストロゲン。

 

エストロゲンは妊娠の時には血管を拡張させ、出産のときには止血のため血液が固まりやすくなるような働きをするホルモンです。

お腹の中の赤ちゃんが大きくなるにつれて静脈を圧迫されるため、下半身に血が溜まりやすくなってしまうのです。

これに関しては一時的なもので、出産後3ヶ月もすれば治まってくることが多いのですが、もし長引くようなら医師に相談してみましょう。

 

立ち仕事

仕事で長時間立ちっぱなしという人は、下肢静脈瘤になりやすいので注意が必要です。

特に美容師や調理師、販売員、あまり動き回らないという人など、立ち仕事が10時間以上になる人は要注意。

休憩時間などに足首を回してみたり伸ばしてみたり、ストレッチをしたりして血流改善に努めましょう。

 

外傷

打撲や捻挫、骨折などの足の怪我でも、静脈弁が壊れてしまうことがあります。

もし怪我をした後に、足の血管が浮き出てきて治らないというようなら、下肢静脈瘤になっている可能性があります。

 

Sponsored Link

 

 

下肢静脈瘤の治療法や手術の種類

 

足の血管がクモの巣状に浮き出る下肢静脈瘤は、治療しない限り完治するということはありません。

特に伏在型静脈瘤で症状が辛い場合や、皮膚炎や潰瘍などが見られる場合には、早めに治療するようにしてください。

手術の種類

最近では新しい治療法なども出てきて、選択の幅が広がりました。

ストリッピング手術

従来からある手術で、問題のある静脈を抜き取ってしまう方法です。

足の付け根と膝の2か所を、それぞれ2~3cmほど切開し、そこからワイヤーを入れて血管を引っ張り出します。

 

足には静脈がたくさんあるので、1本くらい無くなっても、ほかを通って心臓に血液は戻るので大丈夫です。

歴史の長い治療法なので確実性があり、再発率も低いことがメリット。

しかし、全身麻酔や入院が必要となる場合もあり、痛みや内出血を伴うことが多いことがデメリットです。

レーザー・高周波

これは最近できた新しい治療法。

血管の中にカテーテルを入れて、内側からレーザーや高周波を当て、血管を焼き固めて塞いでしまう方法です。

ストリッピング手術のように皮膚を切ることなく、カテーテルの針を通すだけで済むので、手術痕が残りにくいのが特徴。

 

ストリッピング手術と同等の成果があるとされています。

局所麻酔で日帰りということが多く、身体への負担が少ないことがメリットです。

しかし新しい治療法なので確実性がないことと、多少費用が多めにかかってしまうことがデメリットになります。

静脈瘤切除

ストリッピング手術もレーザーや高周波での治療も、ふくらはぎ付近などの瘤は完全に消すことができないことが多いようです

その場合は、瘤の切除手術を同時に行うこともあります。

切除といっても、出来るだけ切る面積は少なくしますし、1回で完治させられるのでメリットは大きいと言えます。

 

最近では、特殊な器具を使って1~3mm切るだけで済む「スタブ・アバルジョン法」というものも出てきました。

これだと縫う必要もないため安心ですね。

 

Sponsored Link

 

他の治療法

手術以外にも薬剤を使ったりそのまま様子を見る場合もあります。

硬化療法

問題のある静脈に注射をして、薬剤によって固めてしまうという方法です。

外来で、10分程でできてしまう治療なので簡単で良いのですが、伏在型静脈瘤以外が対象となります。

重症であったり範囲が広かったりすると、あまり効果は期待できません。

最近では「フォーム硬化療法」という、薬剤を泡状にして注射する方法もあります。

保存的治療

下肢静脈瘤になったからといって、必ず手術などの治療となるわけではありません。

軽症の場合は、医師から「様子を見ましょう」と言われてしまうことのほうが多いのではないでしょうか。

その時に、症状を和らげたり悪化を防ぐために使うのが「弾性ストッキング」です。

 

「弾性ストッキング」は、普通のストッキングよりも締め付けが強く、それによってふくらはぎのポンプ機能を助けてくれるもの。

医療用のものもありますが、保険適用外となってしまうことが多いそう。

適度な運動やマッサージ、ストレッチなどをしつつ、足に負担がかかり過ぎないような生活を送ることが大切になってきます。

 

足がだるいし痛い!7つの原因と病気

足をじっとしていられない!虫が這うような感覚のムズムズ脚症候群

 

Sponsored Link